昨今「下流老人」という陰鬱な言葉が流行っているが、ここでは敢えて「不良老人」という生き方を提唱したい。呑む、打つ、買うにとどまらず、サラリーマン時代にはなかった「自由」を謳歌するのが不良老人としての醍醐味だ。
「無断外泊のススメ」を提唱するのは、『不良定年』の著書もある作家の嵐山光三郎氏である。
「無断外泊は、思い立ったらすぐやりなさい。次の日に妻に『どこ行ってたの?』と問い詰められたら、『高校時代の友人と会って痛飲してしまった。終電を逃したから、近くのビジネスホテルに泊まったよ。タクシー代より安いから』とでもいっておけばいい。最初は1日、それを年に2、3回やり、さらに月に2、3回と続ければ、妻も『いつものことね』と慣れてくる」
ずっと妻の目を気にして生きてきた夫には、相当ハードルが高そうだが、だからこそ妻の束縛から解放された時は、最高に気持ちいいに違いない。
※週刊ポスト2015年8月21・28日号