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日本は体外受精世界一 初めての成功から症例は1000倍に増加

 WHO(世界保健機関)の不妊原因調査では、男性のみに原因がある場合が24%、女性のみが41%、男女ともが24%、原因不明が11%とされる。つまり男性が原因にかかわっている不妊は48%で約半分を占めることになる。男性不妊の約90%が「造精機能障害」といわれる。精巣で精子をつくる能力が低い、もしくはまったくない症状のことで、その50~60%は原因不明の「特発性造精機能障害」に分類される。精子欠乏症や無精子症がこれにあたり、自然受精は非常に困難だという。

「男性不妊症に影響する性機能障害にはこのほか、勃起障害によるもの、射精障害によるもの、性交障害によるもの、薬の副作用によるものなどがあります。ただ、勃起障害にはED治療薬が非常に有用ですし、手術や治療薬など、医療技術も進歩しています」(東邦大学医学部泌尿器科・リプロダクションセンター教授・永尾光一さん)

 現在、不妊症の治療法は6つ。

 排卵日を正確に予測してセックスを行う「タイミング法」、排卵誘発剤や男性ホルモン投与などの「薬物療法」。

 手術としては、精液から精子を集めて子宮内に直接注入する「人工受精」、培養器内で卵子と精子を受精させた後に受精卵、または分割成長した胚を子宮に戻す「体外受精」や「顕微授精」。また、無精子症や重度射精障害の男性精巣から直接精子を回収する「精巣精子回収術」がある。

「日本で初めて体外受精に成功したのが1980年。それから35年、体外受精の症例は1000倍に増え、今や治療を行う医療機関が765か所もあって、アメリカの約2倍。日本は体外受精世界一なんです」(小塙さん)

 実際に、日本産科婦人科学会の集計によれば、体外受精による出生児は、2004年で出生児全体の1.64%の約1万8000人、それが2010年には2.7%の約2万9000人と、この7年間だけで1万人以上増えている。

※女性セブン2015年9月17日号

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