国内

国立大学文系出身者 就活でも会社でもバカにされ肩身が狭い

 埼玉大学は8月、2018年度までに教育学部の定員を100人減らし、大学院理工学研究科の定員を200人増やすことを発表。弘前大学も2016年4月から、理系学部で定員を90人増やす一方、文系の人文学部と教育学部で計150人減らすことを決めた。8月に読売新聞が行ったアンケート調査によると、全国にある国立大学のうち、26校が2016年度以降、文系学部の改廃を計画していると答えるなど、その動きは拡大している。

 コトの発端は、6月、文部科学省が全国の国立大学86校に今後6年間で人文社会系、教員養成系学部・大学院の廃止、見直しを求める通知を出したことにある。対象となるのは文学部や教養学部、法学部や経済学部などで、対象となる大学は、全国に86校ある国立大学のうち半数以上にのぼる。8月に文科省が発表した来年度の国立大学の定員予定では、すでに文系学部の定員が減少するなど、改編が進んでいる。

 突然進み出した“文系はいらない”ムード。文科省は通達の理由について、「社会環境の変化によって、雇用ニーズに対応した新しい時代の産業を担う人材育成が必要となる」としている。しかしこの説明、とらえようによっては、「企業が必要とする人材は文系では育たない」などとも受け取れる。あまりにも乱暴な考え方とも思えるが、国立文系出身者に話を聞くと、実際のところ、社会での文系に対する風当たりは強いようだ。

 入社11年目、34才の会社員A子さんが言う。

「地方の国立大学出身の私は、新入社員時代によく上司から理系出身の同期と比べられました。何かミスをすると、『大学時代、何も勉強していないから文系は使えないんだ。その点、理系卒の○○さんは違う。仕事は速いし、ミスがない』って言われ続けました」

 就職活動で「文系だから」と苦戦を強いられたのは、26才のB美さんだ。

「国立大の文学部を出て就職したけれど、就職活動中は、面接を受けた会社で『文学部なんだから作家にでもなれば?』『文学部って何を勉強してきたの?』とバカにされて悔しかった。出版社などを受けると逆に、『文学部出身なのに全然知識がないんだね』と嫌みを言われるし…。好きなことを一生懸命勉強したかっただけなのに、私の大学生活のすべてを否定された気がしました」

 理系学部出身者からの言葉が追い打ちをかける。

「文系大出身者は受験で数学をろくに勉強していないから、会社員として最低限必要なExcelを使った資料作りや見積書の計算など、簡単なこともできない。努力して覚えようともせず、何かにつけて“私は文系だから算数は苦手で”とごまかそうとしている。特に女性は、数字に弱いことがかわいいとでも思っているふしさえある」(38才・会社員男性)

 私立文系大学出身のある全国紙記者がこう言って肩を落とす。

「今回は税金のことがあるから“国立文系”がターゲットになりましたが、“不要”“使えない”といわれているのは私立文系も同じ。“なんだって!”と怒りきれないのも悲しいところですが…」

※女性セブン2015年9月25日号

関連キーワード

トピックス

結婚を発表した長澤まさみ(時事通信フォト)
《トップ女優・長澤まさみの結婚相手は斎藤工と旧知の仲で…》インスタ全削除の“意味深タイミング”
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「クマが人里に降りてくるのは必然」「農業は野生動物に対する壮大な餌付け」 知床・ロシアでヒグマを撮った動物写真家が語る “現代の人間に欠けている自然観”
NEWSポストセブン
11人家族の宮前家
《子ども9人“大家族のパン屋さん”》「店員さんが注文を覚えきれなくて(笑)」11人家族のインフレ“金銭事情”と、大人数子育てで培ったこと「マニュアル本は役に立たない」
NEWSポストセブン
長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
インフルエンサーのぴきちんさん(Instagramより)
《2年連続ポストシーズン全試合現地観戦》大谷翔平の熱狂的ファン・ぴきちん、全米巡る“体力勝負”の脅威の追っかけはなぜ可能なのか
NEWSポストセブン
2024年に『ウチの師匠がつまらない』を上梓
「視聴率とれたらオレのおかげ?罰が当たるよ」三遊亭好楽さんが『笑点』メンバーや裏方に愛され続ける“お客さんファースト”  地方営業で土産を爆買いも
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン