おなじみの気象予報士・蓬莱大介さんの出番がどんどん増えていき、最近では、番組冒頭から蓬莱さんが出て来ることもしばしば。毎日のように丁寧に解説しているので、視聴者の女性の多くは、天気図を読み取れるようになったのではないだろうか。
蓬莱さんがいない木曜日は、京都大学出身のフリーアナで気象予報士の酒井千佳さんが担当している。彼女も落ち着いたタイプの美人なので、いわゆる“お天気お姉さん”とは一線を画す。彼女は他局の天気を担当する気象予報士たちからも、「若いのに、ちゃんと勉強しているし、読みも解説もうまい」と大評判だ。
さらに、『ミヤネ屋』では、ベテランの中山正敏さんや藤村幸司さん、読売テレビの三浦隆志アナウンサーが現場に出向き、気象をリポートすることがしばしばある。
彼らは事件や事故が発生した際のリポーターでもあるが、昨今の異常気象は、「天気」ではなく、「事件」「事故」の要素が強いと言っていいため、しっかりしたリポーターからの報告が必要なのである。
だが、一方でこの10年ほど、ワイドショーやニュースショーにおける天気予報は、どんどんショーアップ化されてきたのである。
「女性脳は地図が読めない」と指摘したベストセラーの出現により、「日本地図も天気図も意味がない」と判断した総合演出の鶴の一声で、天気記号はどんどんイラスト化され、地図上ではなく、画面に一直線に並べられるようになった。
そして「お天気おねえさん」は、人気タレントの登竜門的職業になって久しい。『ZIP!』や『ズームイン!!サタデー』(共に日本テレビ系)は、完全にその路線。『ひるおび』(TBS系)では、MCの恵俊彰と同じ所属事務所のAKB48メンバーが読む天気コーナーが毎日2チャンスあり、視聴者だけでなく、実は出演コメンテーターに人気を得ているのである。
たとえば、やくみつる氏は、大家志津香のアナウンス能力を買っていた。「カンペも見ず、スラスラ伝えている」というのだ。
大谷昭宏氏は、「柏木由紀が推しメン」だと公言している。それも、『ひるおび』のお天気コーナーで出会ったからである。
しかし、「重大な危険が差し迫った異常事態」の日、ワイドショーやニュースショーのお天気コーナーから、気象予報士の資格をもたない「お天気おねえさん」と「番組キャラクター」が姿を消した。
件の『ひるおび』では、気象予報士の森朗さんもレギュラーだが、恵さんや弁護士の八代英輝さんから、「当たった」「外れた」ということをしつこく指摘され、困り果てる…という場面をよく見かける。
それは、森さんの所属会社のトップ、森田(正光)さんの“芸風”でもあるのだが、こうした場面も、もしかすると、今後の天気コーナーからは姿を消すのかもしれない。
ちなみに、前回触れた『めざましテレビ』の小野彩香は、夏休み明け、見違えるほど成長して戻って来た。何か特別なトレーニングでもしたのだろうか。失敗する回数が劇的に減った。
しかし、彼女の出番尺は、10日と11日、減ってしまったのである。気象予報士の資格をもたないお天気キャスターに時間を割いている場合ではない…という判断だったのだろう。
ワイドショーの「お天気コーナー」は、大きく方針を変えなければならない時期にきたようだ。