「熱狂」の原動力について語る松村社長
――病気との闘いにも必ず勝利するという、その強さはどうしたら持てるのでしょうか?
松村:弱音を言っても治らないですから。仕事をやっている上で、弱音を吐いたり人に頼りだしたら、全てになし崩しになってしまいますよね。それに、なぜ僕が…とよく考えますが、病気になったのは絶対に意味があるはずなんです。神様は超えられない試練を与えるわけがないですから。家族にその病気がいたらわかりますが誰一人いませんし、なおかつ希少な若年での発症ですから。大学病院の先生も、診たのは僕を含め二人目と言っていました。
――その前向きで不屈の姿勢に「勇気をもらった」との声は多くあります。行動できない人や、今どきの醒めた人たちに向けた“熱狂のススメ”とは?
松村:そういう方々よりも、僕と同じ病気で苦しむ人や難病に苦しむ人が、少しでも希望を持てたらいいなという思いはあります。僕の後輩が若くしてがんになってしまい、余命を宣告されたんです。彼の方が遥かに厳しい。でもそいつがね、松村さんの本に勇気づけられたって言ってくれたんです。友達から何か励ましのコメントを書いてやってと言われたけど、言葉が出ないですよね。僕は病気ですけど生きていられるわけですから…。
行動できない人たちに向けて伝えたいことは、想いは必ず叶うということですね。僕は全て叶っていますから。会いたい人にも、会いたいと言い続けて会えています。小松成美さんに書いてほしい。幻冬舎から出したい。全部想いは叶いました。
――今、熱くなることを冷ややかに見る風潮があると思います。醒めた若者や中年に伝えたいこととは?
松村:そういう風潮があっても気にしないです。僕らは関係なくやっていますから。暑苦しいのが好きです。だからみんなを巻き込むために、会社ではいかなる小さい飲み会でもパーティーでも、どこでも最後は肩を組んで「栄光の架け橋」を歌うのが恒例です。年齢も立場も関係なく、そこにいる他社の人も、偉い人も全員で肩組んで。やってみると“結構いいかも”という表情に変わるんですよ。楽しいです。かといって、宗教チックになるのは嫌なので、そこは気をつけています。
ゼットンの稲本(健一社長)と、デザイナーの森田恭通と3人で作った六本木の店舗『1967』のキャッチコピーは「もっと遊べ、大人たち」といいますが、大人に言いたいことは、もう本当に「もっと遊べ、大人たち」ですね。若者には、もうひとつのモットー、「夢は大きく有言実行」でしょうか。