ビジネス

上場企業年収ランキング 新旧交代の象徴は1位・キーエンス

 企業の栄枯盛衰を知るために重要な“指標”のひとつが、社員の給料だ。最新の上場企業平均年収トップ100社をみると、「聞いたことないぞ?」と戸惑うような会社が上位に名を連ね、誰もが知る企業が順位を大きく下げていた。エレベーターのように上昇・下降するランキングは、激変の最中にある日本企業を取り巻く環境の映し鏡である。

1位:キーエンス
2位:野村ホールディングス
3位:朝日放送
4位:東京放送ホールディングス
5位:日本テレビホールディングス
6位:フジ・メディア・ホールディングス
7位:テレビ朝日ホールディングス
8位:伊藤忠商事
9位:日本M&Aセンター
10位:三菱商事
11位:スクウェア・エニックス・ホールディングス
12位:三井物産
13位:テレビ東京ホールディングス
14位:東京海上ホールディングス
15位:丸紅
16位:住友商事
17位:ファナック
18位:電通
19位:三井住友フィナンシャルグループ
20位:三井住友トラスト・ホールディングス

「新旧交代」の象徴が、年収1648万円で初のトップに躍り出た、産業用エレクトロニクスメーカーのキーエンスだ。

 5年前は34位、年収も今回の約3分の2の1008万円だった。この5年で640万円も増加している。しかも、従業員の平均年齢は35.6歳という若い会社だ。どんな企業なのか。経済ジャーナリストの町田徹氏がいう。

「工場用センサーの開発・販売を主な業務とするB to Bの企業です。一般的な知名度は低いが、経常利益率が50%を超える超優良企業。“人件費は経費にあらず”との経営理念で積極的に社員に還元している。

 メーカーでありながら工場を持たずに他社に製造を委託する『ファブレス経営』や、納品先のニーズに応じてオーダーメイドで供給する『コンサルティング経営』など独自の手法で飛躍した」

 老舗企業が上位を占めるなか、9位に入った日本M&Aセンターも異彩を放つ。同社は5年前は39位で、大幅ランクアップとなった。

「中心業務は中小企業のM&A仲介です。合併による生き残りをめざす中小企業や、少子高齢化で事業継承に苦しむ企業からの需要が伸びている」(東京商工リサーチ情報本部情報部・坂田芳博課長)

 他にも、年収1276万円で17位の電気機器メーカー・ファナックが5年前の131位から大きくアップ。本社を置く富士山麓には49万坪の敷地内に22棟の工場、研究所、本社があり、産業用ロボットや工作機械用装置が主力製品だ。

「この5年で“無名”の企業が上位に入ることも多くなった。業績がボーナスに反映されるトレンドの下で、今後は上場企業のなかで年収が二極化する可能性もある」(前出・坂田氏)

●データ協力/東京商工リサーチ

※週刊ポスト2015年10月9日号

関連キーワード

トピックス

ブログ上の内容がたびたび炎上する黒沢が真意を語った
「月に50万円は簡単」発言で大炎上の黒沢年雄(81)、批判意見に大反論「時代のせいにしてる人は、何をやってもダメ!」「若いうちはパワーがあるんだから」当時の「ヤバすぎる働き方」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン
佐藤輝明
データで見る阪神・佐藤輝明の覚醒 「スライダーをホームランにする割合が急上昇」はスイングスピード向上の結果か 苦手な左投手、引っ張り一辺倒の悪癖も大きく改善
NEWSポストセブン
“トリプルボギー不倫”が報じられた栗永遼キャディーの妻・浅井咲希(時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫》女子プロ2人が被害妻から“敵前逃亡”、唯一出場した川崎春花が「逃げられなかったワケ」
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“1000人以上の男性と寝た”金髪美女インフルエンサー(26)が若い女性たちの憧れの的に…「私も同じことがしたい」チャレンジ企画の模倣に女性起業家が警鐘
NEWSポストセブン
24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン
山田美保子さんが、STARTO社アイドルたちのバラエティーでの底力
《バラエティー番組で輝くSTARTO社のアイドルたち》菊池風磨、松田元太、猪狩蒼弥…グループ全体として最もスキルが高いのはSixTONESか 山田美保子氏が分析
女性セブン
芸歴43年で“サスペンスドラマの帝王”の異名を持つ船越英一郎
《ベビーカーを押す妻の姿を半歩後ろから見つめて…》第一子誕生の船越英一郎(65)、心をほぐした再婚相手(42)の“自由人なスタンス”「他人に対して要求することがない」
NEWSポストセブン
阪神の主砲・佐藤輝明はいかにして覚醒したのか
《ついに覚醒》阪神の主砲・佐藤輝明 4球団競合で指名権を引き当てた矢野燿大・元監督らが振り返る“無名の高校生からドラ1になるまで”
週刊ポスト
韓国整形での経験談を明かしたみみたん
《鼻の付け根が赤黒く膿んで》インフルエンサー・みみたん(24)、韓国で美容整形を受けて「傷跡がカパッカパッと開いていた…」感染症治療の“苦悩”を明かす
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《眞子さんが見せた“ママの顔”》お出かけスリーショットで夫・小室圭さんが着用したTシャツに込められた「我が子への想い」
NEWSポストセブン