ライフ

中高年男の白髪「染める」か「染めない」か 両派の言い分は

 自民党の甘利明・経済財政担当相と民主党の細野豪志・政調会長。対立する与野党のキーマン2人には意外な共通点がある。それは最近、急に髪が“白くなった”ことだ。政治活動のストレスが増えて、というわけではない。2人は「白髪染め」を止めたのだ。
 
 これまで政治家といえば、若々しく見られるために白髪は御法度とされてきたが、最近は風潮が変わってきたようだ。細野氏は白髪染めを止めたことについて、ツイッターで「中年の道を歩む」と宣言している。
 
 実はこの風潮、永田町に限ったことではない。近年、とくにおしゃれに感度の高い中高年の間で、白髪染めを止めて「白髪をそのまま見せる」のが流行っているのだ。ファッション誌『LEON』の元編集長・岸田一郎氏(64)はいう。
 
「いまのおしゃれなシニアは年輪のような貫禄を見せるために白髪はそのままにするもの。僕はいま30%ぐらいが白髪ですが、顔にはシワも出ているのに髪だけ黒々しているなんておかしいでしょう。若く見せたいから流行りの迷彩やドクロマークの服を着るのと同様に、白髪染めで黒く染めるという小細工がみっともない。
 
 むしろバブル時代の経験もない貧相な若僧たちと一緒に見られたくないがゆえ、白髪はかっこいいんですよ。海外だとロバート・デ・ニーロ、日本だと岩城滉一さんとかが理想的ですね。髪がしっかりあるなら、白髪にパーマをかけてもいい。白髪を卑下するのではなく白髪で遊べ! ですよ」
 
 なるほど、では自分も染めるのを止めてみるか。そうはいっても、一度黒く染めた白髪を元に戻すのはかなりハードルが高い。若々しく見られたいと思う気持ちは、いくつになっても変わらないからだ。
 
「モテる中年」ことジャーナリストの山路徹氏(54)は、「それでも染める」派だ。
 
「15年前に22歳年上だった鳥越俊太郎さんと取材に行ったときに、白髪交じりのために取材先で僕のほうが年上に見られたことにショックを受けて、白髪染めを始めました。いまは月に一度、美容室で染めて、その間はカラースプレーでごまかしています。
 
 あくまで自己満足の世界ですが、髪を黒くすると気持ちが若返るんですよ。気の持ちようは大事で、仕事に対して意欲的になれるし、異性に対しても若々しさが必要です。若い女性が『白も素敵じゃないですか』とお世辞でいうんですけど、あれを真に受けたらダメだろうなと思ってます。白髪だと若い子と2人でいるときに、年の差を感じて気後れしてしまいそうな気がして」

 染めるべきか染めざるべきか。いずれにせよ、岸田氏と山路氏から学ぶべき教訓は、大事なのは男としての自信である、ということだろう。

※週刊ポスト2015年11月6日号

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン