ここで気づいてほしいのは、電車内で化粧をする人がいても、怒る人と怒らない人がいるように、怒りが生まれる原因は、あなた以外の他人や〈出来事〉そのものではなく、それに対する自分の〈意味づけ〉だという点。怒る原因は自分以外にあると思っている人が多いけれど、実は、あなた自身の受け取り方にあるのだ。
そして、どんな場合に怒りにつながる〈意味づけ〉をするかといえば、自分が思う“○○すべき”という考えが、裏切られたときにほかならない。
人は「時間は守るべき」「夫だって家事や育児を手伝うべき」など、さまざまな“べき”を持っているが、相手もおなじ“べき”を持っているとは限らない。そこで、「待ち合わせに遅刻すべきではない」と思っていたとしても、「10分程度の遅刻なら、ご愛嬌。許してもいい」と、許容できる範囲を広げていく。
すると、「多少、私が思う理想の形とは違うけれど、これなら許せる」という範囲が拡大することで、あなたはだんだんと怒りを招くような不用意な〈意味づけ〉をしなくなっていくのだ。
最後は、マイナス感情やストレスがたまっている時。怒りの感情の奥底には、不安や恐怖などのあらゆるマイナス感情が隠れている。一見、怒りと関係なさそうな、恐怖や不安、悲しみなどのマイナスの感情が心のキャパシティーを超えた時、怒りに形を変えて“心のコップ”からあふれ出すのだ。“心のコップ”にためすぎないように、常にストレスを発散することも、怒りをコントロールするのに重要なのだ。
※女性セブン2015年11月17日号