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植松晃士氏 「かまってちゃん」の対処法は、近寄らないこと

 ファッションプロデューサーの植松晃士さんが、世のオバさま方が美しく健康に生きられるようにアドバイス。今回は「かまってちゃん」の対処法を伝授していただきました。

 * * *
 皆さん、ご機嫌よう! 今回は私の周囲に生息する、“かまってちゃん”についてお話ししたいと思います。“かまってちゃん”とは、常に「私の話を聞いて!」「私に注目して!」というオーラを周囲に振りまいている、とても面倒臭い人のことを指します。一見、控えめを装いつつ、「私を特別扱いして」という、甘えと図々しさが透けて見えることも特徴のひとつです。

 先日も、私の中で“かまってちゃん認定”をしているA子さん(52才)が、ものすごく悲しげな表情と声色で話しかけてきました。

「植松さん、あの~、実は大変なことが…」

 不意打ちをくらい、「ご不幸? それとも災害?」と想像を巡らせるだけでもストレスです。

 はるか昔、おばさまがたが、「心臓に悪いわ~」とおっしゃるのを聞いて、「まぁ、大げさな」と思っていましたが、その気持ちというか状態がリアルにわかるようになった今日この頃。

 胸の動悸を抑えつつ、全身全霊を傾けて聞くと、「はぁあ~?」と気が抜けるくらい、もうひとりの私が予想していた通りのどうでもいい話。

 A子さんは、いつもこうして話を大げさに周囲に伝えて、「て~へんだ~」とひとりで騒ぎを煽りたてています。「うっかり八兵衛かっ」とツッコミをいれたくもなりますが、八兵衛さんほど陽気でも、かわいくもないところがミソ。

 こんな時、ふと思い浮かべるのは少々たとえは古いですが、韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』です。

 このドラマが流行っていた当時は、女優さんや衣装の美しさに宮廷の雅を感じて熱心に見ていたのですが、あらためて思い返してみるとチャングムこそ人騒がせな“かまってちゃん”。

 だって市場などで騒ぎを起こすのは、いつだってチャングム。周囲を巻き込んで騒動を大きくしたあげく、自ら解決するというお話…といったら言いすぎかしら。

 いずれにせよアクシデントが起きたら、冷静に事態を把握して、瞬時にどう始末をつけるか、着地点を想定して行動する。トラブルは、できるだけ大きくしないで解決する知恵や術が身についている。それこそ大人の証というものでしょう。

 ところが、“かまってちゃん”にとって、対処の仕方も着地点も実はどうでもよくて、騒ぎを大きくすることにしか興味がありません。

 その証拠に、彼女たちが芝居っ気たっぷりに眉間にしわを寄せ、「大変なんですッ」と訴えるときの瞳の奥をごらんなさい。喜びの灯火がめらめらと燃えていることを、私は見逃しませんよ。

 実はA子さんの周りには、いつも大小のさまざまな揉め事が起こっています。すべて、とは申しませんが彼女が、「て~へんだ~」と騒がなければ、大したことにならなかったことがほとんどです。

 マッチの火ほどの出来事を、あおってあおって山火事並みにする手腕は大したものですが、周囲はへとへとになります。

 こういう女性にはどう対応したらいいか。自戒を込めて申し上げますが、近寄らないこと。これにつきます。毎日を楽しく健やかに暮らすためには、火種を持ち歩いている人とかかわってはいけません。

 そんな騒動に顔を突っ込むヒマがあったら、ゆっくりとお風呂に入ってパックをしましょうよ。そのほうがずっとあなたの明日が輝きますよ。

 オバさん、万歳!

※女性セブン2015年12月3日号

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