和歌山県在住のパート主婦(36才)は、警戒心だけでなく衛生面での不安を心配する。
「娘が1才の時、デパートでエレベーターを待っていたら高齢の女性が娘の手をとって、“ヨイヨイヨイ”と遊び始めたんです。ニコニコしていて、うちの子をかわいいと思ってやってくれたのだと思うんです。その気持ちはとっても嬉しかったけど、エレベーターから降りて、すぐに子供の手を拭きました。その人が何か菌を持っていたらと考えると不安で。小さな子供はすぐに指しゃぶりをするし、口に何かばい菌が入ったらと不安だったんです」
自分の子供に危害が与えられないか──そう感じる母親が多くいるからこそ、安全防犯アドバイザーの佐伯幸子さんは、「いろんな考えを持つ人がいることを知るべきだ」と指摘する。
「吊革につかまったり、お金を触ったり、トイレで手を洗ったかもわからない。大人の手は雑菌だらけです。お母さんにすればその手で突然触られたくない人はいるでしょう。一方で、逆にたくさん触ってもらって免疫をつけたほうがいいという人もいて、いろんな人がいます。どちらが正しいかではなく、嫌がる人、心配する人がいるということを認識すべきです」
また佐伯さんは「対象が赤ちゃんだからといって、無条件に触っていいのだろうか」と、疑問を投げかける。
「例えば、これが小学生の女の子だったらどうでしょう、ましてや高校生や20代の女性なら、『かわいい』と触ったら、痴漢になりますよね。赤ちゃんだから許されているわけですが、赤ちゃんであっても触られたくない親がいて、むやみやたらに触ってはいけないというのが大前提になっているのです」
※女性セブン2015年12月10日号