国内

安倍政権増税先送り論 財務省は消費税32%試算を発表し牽制

 安倍晋三首相のブレーンの間では2017年4月に予定されている消費税率10%への増税を再延期するべきだという声が強まり、官邸と財務省の間に緊張が高まっている。国民は消費税増税の再延期や凍結は歓迎だが、果たして安倍政権は本当にそこまで腹をくくっているのか。

 安倍首相は表向き増税実施の方針を変えていない。国会や記者会見で「リーマン・ショック級の国際的な大きな経済的ダメージがあるとの事態と判断する以外は、引き上げを行なうのが我々の考え方」(11月10日の衆院予算委員会閉会中審査)と何度も説明し、自民党と公明党は2017年4月の増税実施を前提に、食料品への軽減税率を導入する協議を進めている。消費増税を延期する気があるようには見えない。

 東京新聞論説副主幹でジャーナリストの長谷川幸洋氏はそれでも「増税延期は既定路線」と見ている。

「今年4~6月期と7~9月期のGDP速報値が2期連続マイナスとなり、景気後退がはっきりしている。この景気では消費増税は無理。もし強行すればアベノミクスで公約しているデフレ脱却ができません。

 最終的には国会で来年度予算案を成立させた後、来年5月に発表される1~3月のGDP速報値を見て決断することになるでしょう」

 現段階でそれをいわないのは、財務省との全面戦争に突入することを恐れているからではないか。

 財務省は強力な予算編成権を武器に政界、財界、霞が関に隠然たる力を持つ。安倍首相が予算編成前に「消費税再延期」を打ち出せば同省を完全に敵に回し、「一億総活躍社会」や「希望出生率1.8」、「介護離職ゼロ」といった新たな看板政策のことごとくに「財源がない」と予算をつけてもらえなくなり、実行できなくなるからだ。そうなれば安倍政権の基盤そのものが危うくなる。

関連キーワード

トピックス

被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン