ビジネス

富士重工、第一生命、伊藤忠 2015年キラリと光った社長たち

吉永社長の指揮の下、モノづくりへのこだわりを見せる富士重工業

 今年ほど名だたる企業の「威信」が低下した年も珍しい。業績不振で事業の切り売りに追われるシャープ、経営権を巡り“父娘ケンカ”に明け暮れた大塚家具、巨額な不正会計が明るみに出た東芝、不良エアバッグ問題で世界から批判を浴びるタカタ、そして、マンションの杜撰な杭打ち工事が発覚した旭化成建材……。

「企業が社会の公器であるならば、このまま組織を存続させる意味はどこにあるのか」――経営のリード役である社長が矢面に立たされる“謝罪会見”では、記者からこんな厳しい質問が飛び交うこともあった。

 そんな中、師走に入り「経営手腕が光った今年の社長」が各調査機関から発表されるシーズンがやってきた。

 例年、トップ10には孫正義氏(ソフトバンク)、豊田章男氏(トヨタ自動車)、柳井正氏(ファーストリテイリング)らの常連社長が名を連ねるが、度重なる企業の不祥事ばかりが目立った今年は、なかなか“新顔”が思い浮かばない。

 当サイトでも毎年12月上旬、経済誌『月刊BOSS』編集委員の関慎夫氏に「キラリと光ったベスト経営者」を挙げてもらっているため、今年は他調査よりも一足先に聞いてみた。
※以下、関氏の人選と推薦理由

●吉永泰之社長(富士重工業)

 クルマの販売台数、売上、利益ともに過去最高を記録。しかもROEなど経営指標はトヨタをはるかにしのぐ。日本のモノづくりへのこだわりを象徴する企業といえる。

●渡邉光一郎社長(第一生命保険)

 前3月期決算の保険料等収入で日本生命を逆転。これは戦後初の快挙。2010年に株式会社化した時はその効果を疑問視されたが、銀行窓販を子会社で展開するなど、他の生保よりも責任体制を明確にしたことで業績を伸ばしている。M&Aにも積極的。渡邉氏は、株式会社化と同時に社長に就任した。

●岡藤正弘社長(伊藤忠商事)

 中間決算で利益が商社トップに。他の商社と違い資源に過度に依存しなかったことが奏功した。同時に中国への6000億円投資を決断するなど、とにかく強気の経営者。この賭けに勝てば伊藤忠はダントツの商社に成長するだろう。

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《北島康介に不倫報道》元ガルネク・千紗「アラフォーでも美ボディ」スタートさせていた“第2の人生”…最中で起きた波紋
NEWSポストセブン
音楽業界の頂点に君臨し続けるマドンナ(Instagramより)
〈やっと60代に見えたよ〉マドンナ(67)の“驚愕の激変”にファンが思わず安堵… 賛否を呼んだ“還暦越えの透け透けドレス”からの変化
NEWSポストセブン
石破茂・首相の退陣を求めているのは誰か(時事通信フォト)
自民党内で広がる“石破おろし”の陰で暗躍する旧安倍派4人衆 大臣手形をバラ撒いて多数派工作、次期政権の“入閣リスト”も流れる事態に
週刊ポスト
1999年、夏の甲子園に出場した芸人・とにかく明るい安村(公式HPより)
【私と甲子園】1999年夏出場のとにかく明るい安村 雪が降りしきる母校のグラウンドで練習に明け暮れた日々「甲子園を目指すためだけに高校に通った」 
女性セブン
クマ外傷の専門書が出版された(画像はgetty image、右は中永氏提供)
《クマは鋭い爪と強い腕力で顔をえぐる》専門家が明かすクマ被害のあまりに壮絶な医療現場「顔面中央部を上唇にかけて剥ぎ取られ、鼻がとれた状態」
NEWSポストセブン
小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン
ジャーナリストの西谷格氏が新疆ウイグル自治区の様子をレポート(本人撮影)
《新疆ウイグル自治区潜入ルポ》現地の人が徹底的に避ける「強制収容所」の話題 ある女性は「夫は5年前に『学習するところ』に連れて行かれ亡くなりました」
週刊ポスト
会見で出場辞退を発表した広陵高校・堀正和校長
《海外でも”いじめスキャンダル”と波紋》広陵高校「説明会で質問なし」に見え隠れする「進路問題」 ”監督の思し召し”が進学先まで左右する強豪校の実態「有力大学の推薦枠は完全な椅子取りゲーム」 
NEWSポストセブン
起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト