ライフ

京都・名刹の襖絵 現代アーティストによるモダンな作品多数

京都・随心院の襖絵『極彩色梅匂小町絵図』

 京都・山科の古刹、隨心院本堂「能の間」に入ると、極彩色の襖絵が目に飛び込む。晩年をこの寺で過ごしたとされる小野小町の生涯を描いた『極彩色梅匂小町絵図』。手掛けたのは、「だるま商店」という2人組の若手アートユニットだ。隨心院の大林教道主事が語る。

「6年前に斬新で華やかな小野小町を表現したいと奉納の申し出があり、若い方が活躍できるきっかけになればとお願いしました。少し淋しいと思っていた部屋が、すっかり明るくなってとても好評です」

 京都の襖絵といえば、江戸時代末期まで隆盛を誇った狩野派など、幕府・大名お抱えの御用絵師の作品が多い。だが一方で、襖紙の代わりにキャンバス地に描いたり、アクリル絵具を使う現代アーティストのモダンな作品を採用する寺院も実は少なくない。伝統を守りながら、常に新しいものを取り入れる気質を持つ京都ならではの風土といえる。

 映画やテレビの撮影などで京都を訪れる機会の多い横山めぐみさんも、そんな襖絵に魅了された一人だ。今回、京都・名刹の「現代アートな襖絵」を巡った横山さんが語る。

「国宝や重要文化財の重厚なイメージが京都にありますが、お寺の中でこんなに斬新な作品を間近に見ることができるとは思いませんでした。しかも、伝統の重みと現代の色使いが違和感なく共存していて驚きました」

 作品を提供しているのは新進気鋭の作家だけではない。例えば、宝厳院の襖絵は、「タムラ・レッド」と呼ばれる独特の赤色で知られる壁画制作の第一人者・田村能里子氏の作品だ。

「いわゆる伝統的な襖絵ではない、斬新な作品をお願いしました。襖の縁から引き手に至るまで、これまでの襖絵の常識を超えた作品だと思います」(宝厳院・田原英彦副住職)

 紅葉で賑わう秋の京都。あまり知られていない現代アートな襖絵を訪ねてみてはいかがか。

◆横山めぐみ(よこやま・めぐみ):1987年、ドラマ『北の国から’87初恋』で女優デビュー。その後、ドラマ『真珠夫人』でヒロインを演じるなど、テレビ、映画、舞台、CMで活躍中。

撮影■中庭愉生

※週刊ポスト2015年12月11日号

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
中途採用応募者が急に増えて担当者は困惑(写真提供/イメージマート)
《SNSの偽情報で実害》中途採用に「条件満たさない」応募者が激増した企業、勝手にFラン認定された大学は「少子化の中、学生に来てもらう努力を踏み躙られた」
NEWSポストセブン
趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
日本復帰2戦目で初勝利を挙げたDeNAの藤浪晋太郎(時事通信フォト)
横浜DeNA・藤浪晋太郎を大事な局面で起用する三浦大輔監督のしたたかな戦略 相手ファンからブーイングを受ける“ヒール”がCSの行方を左右する
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン