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2015.12.22 16:00  NEWSポストセブン

昭和レトロの名所・京浜工業地帯のサロンと称す鶴見の角打ち

隣接の駄菓子屋で購入したつまみをあてに一杯


 そんな中へ、また一人やってきた。周囲が、「おー、来たよ来たよ、必ず閉店までいる男が。まずは何飲むの? やっぱり定番のあれかい」と、はやしたてる。

「うん、もちろん焼酎ハイボールね。甘くなくって気に入ってるんだ。みんなも、飲んべえにはうれしい酒だと思ってるだろう?」(60代、配管業)

 各種惣菜など、つまみメニューに力を入れる角打ち店も珍しくないが、この店に置いてあるのは20種類ほどの乾き物だけ。

「昔ながらの角打ちなので、これでいいと考えています。お客さんも特に凝った料理などはいらない、うまい酒だけでいいと言う人ばかりですから。ひとつ、意外だったことがあるんです。町の子供たちに喜んでもらおうと、店の隣に小さな蔵造りの『なかむら屋』という駄菓子屋を開いたんですけどね。ここからいろいろな駄菓子を買って来てつまみにするお客さんがけっこういるんですよ。もちろん、持ち込み自由です」(中村さん)

 参考までに紹介すると、角打ち客に絶大な支持を受けている駄菓子は、チョコカステラ(10円)だそうで、以下、トンカツソース味揚げ菓子(30円)、健康イカ(60円)といったものが続いている。

 店のすぐ近くには、潮田神社がある。毎年6月の例大祭では、各町内の神輿が40基以上練り歩き、300店以上の露天が並んで大変な賑わいを見せる。中村さんは、その氏子青年会の会長も務めているほどの人物で、彼を慕って通う男たちも少なくない。

「角打ちどころか酒屋さん自体が年々店を閉めている寂しい時代。でもうちは創業100年まであと8年。そこまでは当然がんばりますし、贔屓にしてくれるお客さんがいるうちは、絶対に閉めません」(中村さん)

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