国際情報

香港書店関係者4人が中国大陸で行方不明 当局が身柄拘束か

習近平国家主席(右)と梁振英・香港行政長官 Reuters/AFLO

 香港の書店関係者4人が中国大陸で行方不明になっている。彼らは習近平指導部を批判する発禁本などを販売したことを理由に、中国当局に身柄を拘束されているとみられる。中国による香港の報道機関への圧力は日増しに強まっているが、書店関係者へのあからさまな弾圧は初めて。香港における言論の自由はいよいよ風前の灯火になりつつある。現地からジャーナリストの相馬勝氏がレポートする。

 * * *
 香港の中心部、銅羅湾(コーズウェイベイ)。日系大手のデパートや有名なレストランが入った高層ビル、高級ホテルなどが大通りに面し、香港独特の路面電車であるトラムやバスがひっきりなしに行き来する。早朝から深夜まで人通りが絶えることがない香港屈指の商業地区だ。

 しかし、1本通りを内側に入ると、2階建てや3階建ての雑居ビルが無数に立ち並び、頭上には派手でけばけばしい看板が目につく。路端には新聞・雑誌のスタンドや屋台が並び、下町的な雑然とした光景が現れる。

 その一角の低層ビルには、2階に上るための薄暗い入り口が洞窟のように口を開けている。チラシなどがたまっている階段を上ると、2階に「銅羅湾書店」と書かれた看板が見える。

 観音開きのドアを開けると、昼でも煌々と蛍光灯がつくなか、多数の本が目に飛び込んでくる。本の大部分は「習近平」や「江沢民」「胡錦濤」「王岐山」など中国の最高幹部の名前を冠した中国政治の暴露本だ。中南海の内部で繰り広げられている権力闘争が主な内容で、それら幹部と有名女性とのスキャンダルを暴露した本も多数置かれている。これらは、その内容から、大陸に持って入ることができない発禁本だ。

 それにもかかわらず、店内には中国から来たと思われる観光客のグループが大きな声を出して北京語(標準語)で話していた。そのうちの1人は「大陸では読めないことが書かれているから、みんなが欲しがるのよ。だから、お土産には最適ね。税関で見つからないよう、うまく隠さなきゃ」と話していた。

 また、別の女性は「大陸の共産党の幹部から頼まれて、ある本を探しに来た。香港中歩き回って、なかなか見つからなかったけれども、ここに来たらあった。大陸では庶民も幹部も政治に興味があるのは変わらないわよ」と笑った。

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト