国際情報

李登輝氏「中国の脅威に対し今こそ台湾と日本は団結すべき」

元台湾総統・李登輝氏

 1月に総統選が行われる台湾。1988年から2000年まで台湾の総統を務めた李登輝氏は、南シナ海や東シナ海で中国の脅威が増す中で、日本と台湾が団結すべきだと指摘する。
 * * *

 日本も台湾もともに人権、平和などの価値観を共有する民主主義国家であるとともに、同じ島国国家である。また、領土的野心をむき出しにする中国と対峙するなど、多くの点で利害が一致している。

 安全保障面にかぎらず、日本と台湾の連携は非常に重要であり、台湾は日本の生命線と言える。安倍首相は、「台湾は大切な日本の友人」と発言し、多くの台湾人の感動を呼んだ。昨年の戦後70年談話でも中国や韓国と列記して台湾の名が挙げられ、日本が台湾を平等なパートナーとして位置付けていることを感じる。台湾と日本は運命共同体であり、この関係をよりいっそう強化することが東アジアの平和と安定に繋がるものと信じている。

 地政学的リスクが大きく変化した現在においても、日本の安保法制整備を「戦争法案」などと批判する人がいることには疑問を感じる。軍隊や安保法制を整備することが即ち戦争になるということではない。戦争するかしないかは、ひとえに指導者にかかっていることであり、安保法制の整備とは何ら関係のないことだ。

 一昨年、東京を訪問した際、私は「人類と平和」というテーマで講演したが、そのなかで私は「人類の歴史は異なる国や組織、権力間の興亡の繰り返しである」と述べた。集団的自衛権や安保法制の問題を忌避する人々は、こうした歴史を無視していると言わざるをえない。いかにして平和を保つのか、具体的手段を考えるのが指導者の務めであり、決断した安倍首相の勇気に敬意を表したい。

 台湾と日本が協力すべき分野は安全保障だけにとどまらない。経済分野で注目しているのが、「IoT(Internet of Things)」だ。IoTとはパソコンやスマートフォンだけでなく、身の回りのあらゆるモノに埋め込まれたセンサーをインターネットに接続し、相互通信を可能にすることで新しいサービスや付加価値を生み出す技術だ。私は一昨年からこの技術に注目していたが、ここ最近で急速に認知されてきたと感じており、今や世界の先端企業が開発を競い合っている。

関連キーワード

トピックス

参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
《実は既婚者》参政党・さや氏、“スカートのサンタ服”で22歳年上の音楽家と開催したコンサートに男性ファン「あれは公開イチャイチャだったのか…」【本名・塩入清香と発表】
NEWSポストセブン
かりゆしウェアのリンクコーデをされる天皇ご一家(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《売れ筋ランキングで1位&2位に》天皇ご一家、那須ご静養でかりゆしウェアのリンクコーデ 雅子さまはテッポウユリ柄の9900円シャツで上品な装いに 
NEWSポストセブン
注目度が上昇中のTBS・山形純菜アナ(インスタグラムより)
《注目度急上昇中》“ミス実践グランプリ”TBS山形純菜アナ、過度なリアクションや“顔芸”はなし、それでも局内外で抜群の評価受ける理由 和田アキ子も“やまがっちゃん”と信頼
NEWSポストセブン
中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
定年後はどうする?(写真は番組ホームページより)
「マスメディアの“本音”が集約されているよね」フィフィ氏、玉川徹氏の「SNSのショート動画を見て投票している」発言に“違和感”【参院選を終えて】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
皇室に関する悪質なショート動画が拡散 悠仁さまについての陰謀論、佳子さまのAI生成動画…相次ぐデマ投稿 宮内庁は新たな広報室長を起用し、毅然とした対応へ
女性セブン
スカウトは学校教員の“業務”に(時事通信フォト)
《“勧誘”は“業務”》高校野球の最新潮流「スカウト担当教員」という仕事 授業を受け持ちつつ“逸材”を求めて全国を奔走
週刊ポスト
「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン