報奨金とは、力士報奨金(給金)と呼ばれる力士の能力給といえるもの。力士はすべて「持ち給金」3円を与えられてデビューし、本場所での勝ち越し1勝につき0.5円加算、金星1個につき10円、優勝1回につき30円、全勝優勝50円を加算。そして合計を4000倍した金額が本場所ごとに引退するまで支給される。
昨年5月場所に関脇だった照ノ富士は、12勝3敗の成績で幕内最高優勝を飾り、場所後に大関へ昇進。それまで70円だった持ち給金は、優勝(30円)と勝ち越し分(9=4.5円)の報奨金で104.5円にアップ。7月場所で受け取る額は、28万円から41万8000円へ急上昇した。
その後も11勝4敗(7月場所)、12勝3敗(9月場所)、9勝6敗(11月場所)と勝ち越しを重ね、今初場所での持ち給金は114円(支給額45万6000円)と積み上げてきた。
たった4場所(8か月)で持ち給金が44円(17万6000円)のアップ。力士はサラリーマンかもしれないが、一般の会社員では考えられない昇給である。土俵に埋まっているカネを掘り出すのは誰か、この初場所ではそこにも注目したい。
※週刊ポスト2016年1月29日号