ビジネス

拡大中の民泊 業務代行する管理会社が今後は増加との予測も

 今年も大学受験の季節が巡ってきたが、東京や大阪の都市部を中心に宿泊施設が足りないと大きな話題になったのは、ちょうど去年の受験シーズンからだった。訪日外国人は今後も増加傾向のため拡大中の民泊について、経営コンサルタントの大前研一氏が今後の展望を解説する。

 * * *
 国土交通省によると、2015年に日本を訪れた外国人旅行者数は、前年比47%増の1973万人となり、過去最高を更新した。訪日外国人客は今後も増え続けると思われるので、年間3000万人も射程に入ったと言えるだろう。

 ただし、すでに国内の宿泊施設はキャパシティが不足している。東京、大阪、京都などのホテルは常に満杯状態で、外国人観光客に人気のある地方都市やリゾート地のホテルも客室稼働率が限界に近づいている。

 このため、空いている個人の部屋や家での宿泊を仲介する「エアビーアンドビー(Airbnb)」などの「民泊」が拡大中だ。東京・大田区では国家戦略特区制度を活用した民泊を認める条例が制定され、今月末から民泊が解禁される。

 だが、私は、エアビーアンドビーをはじめとする民泊の急拡大は一時的に調整局面に入ると思う。なぜなら、すでに民泊では利用後の掃除、片づけ、シーツの交換といった管理の問題がネックになっているからだ。ホテルや旅館は当然そのための従業員がいるが、民泊は持ち主が自分でやらねばならない。カギの受け渡しなどセキュリティの問題もあり、様々な手間がかかる。

 欧米のリゾート地では、別荘やコンドミニアムをオーナーが貸し出す場合、それをマネージメントする管理会社があって、もろもろの業務を代行してくれる。このモデルが今後は日本でも増えていくのではないか。

 現状では、たとえばエアビーアンドビーは宿泊価格から12~15%のマージンを抜くとされている。これに加えて、仮に管理会社が25%のマージンを抜くとすれば、オーナーの取り分は約60%になる。さらには管理会社がPR・集客・予約も含めて全部請け負って50%程度のマージンを抜く、というケースが出てくるかもしれない。

 欧米のリゾート地同様、日本でもその種のサービスが普及すれば、いちいちエアビーアンドビーなどの仲介業者を経由しなくても、目的地の地名を検索するだけで管理会社のポータルサイトから直接、民泊を探せるようになる。

※週刊ポスト2016年2月5日号

トピックス

参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏(共同通信)
《“保守サーの姫”は既婚者だった》参政党・さや氏、好きな男性のタイプは「便利な人」…結婚相手は自身をプロデュースした大物音楽家
NEWSポストセブン
松嶋菜々子と反町隆史
《“夫婦仲がいい”と周囲にのろける》松嶋菜々子と反町隆史、化粧品が売れに売れてCM再共演「円満の秘訣は距離感」 結婚24年で起きた変化
NEWSポストセブン
注目度が上昇中のTBS・山形純菜アナ(インスタグラムより)
《注目度急上昇中》“ミス実践グランプリ”TBS山形純菜アナ、過度なリアクションや“顔芸”はなし、それでも局内外で抜群の評価受ける理由 和田アキ子も“やまがっちゃん”と信頼
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
《実は既婚者》参政党・さや氏、“スカートのサンタ服”で22歳年上の音楽家と開催したコンサートに男性ファン「あれは公開イチャイチャだったのか…」【本名・塩入清香と発表】
NEWSポストセブン
中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
かりゆしウェアのリンクコーデをされる天皇ご一家(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《売れ筋ランキングで1位&2位に》天皇ご一家、那須ご静養でかりゆしウェアのリンクコーデ 雅子さまはテッポウユリ柄の9900円シャツで上品な装いに 
NEWSポストセブン
定年後はどうする?(写真は番組ホームページより)
「マスメディアの“本音”が集約されているよね」フィフィ氏、玉川徹氏の「SNSのショート動画を見て投票している」発言に“違和感”【参院選を終えて】
NEWSポストセブン
スカウトは学校教員の“業務”に(時事通信フォト)
《“勧誘”は“業務”》高校野球の最新潮流「スカウト担当教員」という仕事 授業を受け持ちつつ“逸材”を求めて全国を奔走
週刊ポスト