プロ野球の自主トレが始まった。野球協約では、12月1日から1月31日までがポストシーズン。その間は球団主導による試合や練習、技術指導が禁じられる。そのため選手たちは自らトレーニング場所を確保して、2月1日のキャンプインに備える。それが自主トレだ。複数の選手で集まって行なう合同自主トレも珍しくないが、出身校で繋がっていることも多い。西岡剛や中田翔等の「大阪桐蔭グループ」が、合同で自主トレをしている様子をスポーツニュース等で見たことがある方もいるだろう。
大学で結束力があるのは、ヤクルトのライアンこと小川泰弘ら7人が参加する「創価大グループ」。
「今秋のドラフトの最大の目玉、田中正義投手もいるなど創価大は無視できない存在。今後ますます拡大する可能性があります」(スポーツ紙アマチュア担当記者)
創価大だけでなく「日大グループ」も先輩後輩で行動を共にしている。同じサイドスロー投手のヤクルト・館山昌平と西武・十亀武に、プロ入り3年目を迎えるオリックスのドラ1投手、吉田一将が合流している。
宮崎の自主トレでEXILEのヒット曲『Choo Choo TRAIN』のダンスのようなポーズで存在感をアピールしたのが、ソフトバンクの内川聖一を中心に集う「ウチザイル」の面々。同じソフトバンクの上林誠知、広島から小窪哲也、上本崇司、鈴木誠也、横浜の松本啓次朗が加わっている。
「もう一度優勝するため」と沖縄で合同自主トレしているのが、楽天の嶋基宏ひきいる「シマップ」の面々。メンバーは楽天の後輩たちで、哲朗、桝田慎太郎、銀次、中川大志がいる。
変わり種は昨年のトリプルスリー・山田哲人の自主トレ軍団。なぜか愛媛・松山で行なっているが、
「かつてヤクルトの先輩で、いつも松山で自主トレをしていた宮本慎也の『宮本塾』にいた連中で集まっている。ここには巨人の坂本(勇人)が来たこともある。寺内崇幸(巨人)はその時に一緒に来た名残で、今も松山を訪れています」(ヤクルト担当記者)
自主トレは単にコンディション作りだけではなく、深い意味を持つ重要な行事なのである。
※週刊ポスト2016年2月5日号