ライフ

「子供嫌いで妻が育児放棄」は離婚理由になるか 弁護士見解

 近年では家族の形態も様々に変化しているが、結婚すれば次は子供が期待されることも多いだろう。だが、娘が生まれたところ妻の子供嫌いが判明し、育児を一切行なわない場合、これは離婚理由になるか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 結婚2年目に長女が誕生。そのとき知ったのですが、妻は子供が嫌いらしく、そのため私が半年間の育児休暇を取りました。その間、妻は仕事に専念し、余暇でも子供の面倒を一切みず、育児放棄の状態です。この状況に嫌気がさした私は離婚を決意したのですが、妻の育児放棄は離婚理由となりえますか。

【回答】
 育児放棄というだけでは、離婚はできません。奥さんが調停で離婚に同意しなければ、裁判離婚が必要となります。裁判を行なうには、民法で定める5つの離婚事由のどれかがなくてはなりません。

 不貞行為、悪意で遺棄、3年以上の生死不明、回復の見込みのない強度の精神病のほか、「婚姻を継続し難い重大な事由」(5号事由)があれば離婚は認められます。5号事由は、婚姻関係が破たんして、もはや回復の見込みがなくなった場合をいいます。

 原因は様々ですが、裁判例では肉体的・精神的暴力や虐待、賭博など遊興浪費をし、勤労意欲がないこと、性格不一致や愛情の喪失、不正常な性的関係、家族との軋轢、宗教関係などが主張されることもあります。つまり、5号事由の有無は諸般の事情を踏まえ、総合的に判断されます。

 ご質問の場合も、この5号事由があるかが問題です。結婚2年目で長女が生まれ、今のところ同居して婚姻関係を維持しているようなので、奥さんがあなたへの愛情を失っていなければ、裁判離婚は難しいでしょう。

 育児放棄とあなたはいいますが、甘やかさない子育てもあります。結婚後、それほど時間は経過しておらず、育児に不満を感じ始めてからの期間もわずかです。奥さんが子供を虐待するなど、客観的に見て異常な行動を取り、あなたが愛情を失うのも無理はないと思われるような状態でないと、裁判所は5号事由を認めないと思います。

 あなたの場合、互いの考えを理解すべく努力の余地があるように思います。奥さんが妊娠・出産という大事業を成し遂げたことを考えてあげるべきではありませんか。二人で話し合っても育児の協力関係が築けない時には、家庭裁判所に夫婦関係の調整調停を提起し、調停委員や家裁の調査官などの意見を聞いてみるのも有効です。

【弁護士プロフィール】
◆竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2016年2月12日号

トピックス

食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《“七三分け”白髪の石橋貴明が動き始めた》鈴木保奈美「私がお仕事をしてこられたのは…」“再ブレイクと闘病中”元夫婦の距離感
NEWSポストセブン
波瑠と高杉真宙の仲睦まじいツーショット
《波瑠がメガネと白セーター姿で高杉真宙にピッタリ寄り添い…》「思い出深い1年でした」新婚ホヤホヤの2人は“お揃いのデニムパンツ”で笑顔の神対応
NEWSポストセブン
『激走戦隊カーレンジャー』でピンクレーサー・八神洋子役を演じ、高い人気を得た来栖あつこさん
《スーパー戦隊50年の歴史に幕》「時代に合ったヒーローがいればいい」来栖あつこが明かすイエローとの永遠の別れ、『激走戦隊カーレンジャー』ピンクレーサー役を熱演
NEWSポストセブン
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
《識者が“皇族の喫煙事情”に言及》「普段の生活でタバコを吸われる場合は…」秋篠宮さまの“車内モクモク”動画に飛び交う疑問
NEWSポストセブン
小室さん眞子さんのNY生活を支える人物が外務大臣表彰
《小室眞子さん“美術の仕事”の夢が再燃》元プリンセスの立場を生かせる部署も…“超ホワイト”なメトロポリタン美術館就職への道
NEWSポストセブン
今年成年式を終えられた悠仁さま(2025年9月、東京・港区。撮影/JMPA) 
《自らモップがけも…》悠仁さまが筑波大バドミントンサークルで「特別扱いされない」実情 「ひっさー」と呼ばれる“フラットな関係”
週刊ポスト
結婚を発表した長澤まさみ(時事通信フォト)
《トップ女優・長澤まさみの結婚相手は斎藤工と旧知の仲で…》インスタ全削除の“意味深タイミング”
NEWSポストセブン
長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「クマが人里に降りてくるのは必然」「農業は野生動物に対する壮大な餌付け」 知床・ロシアでヒグマを撮った動物写真家が語る “現代の人間に欠けている自然観”
NEWSポストセブン
11人家族の宮前家
《子ども9人“大家族のパン屋さん”》「店員さんが注文を覚えきれなくて(笑)」11人家族のインフレ“金銭事情”と、大人数子育てで培ったこと「マニュアル本は役に立たない」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン