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大腸がん 予防効果期待の食材としてさば、緑黄色野菜が注目

 女性のがんのなかで最も死亡率が高いと言われるのが大腸がんだ。40才以上の大腸がん検診率が30%以下だということも、死亡率を引き上げる原因となっているという。大腸がんの検診には内視鏡検査がおすすめだという。というのも、検査中にがんが発見された場合、早期であればその場で検査と同時に内視鏡による切除ができるのだ。

 とはいえ、もちろん進行が進んでいるがんは、内視鏡では取り除けない。“がんが、腸壁の粘膜下層から固有筋層にとどまっている状態”のステージI期からは、病状にもよるが腹腔鏡手術か開腹手術を行って治療する。この段階では、国立がん研究センターの5年生存率は90%以上と非常に高い。

 ステージII期は、がんは固有筋層を越えて浸潤しているが、リンパ節転移はない状態。同センターの5年生存率は80%以上で、こちらも手術で切除ができる。

 ステージIII期はがんがリンパ節に転移した状態で、同センターの5年生存率は70%以上。手術と補助療法として放射線療法などが行われる。

 がんが進行し、大腸から離れた肝臓や肺などに転移してしまった状態をステージIV期と呼ぶ。国立がんセンターによる5年生存率は25%と急落し、20~30%は開腹手術による切除が可能だが、他臓器のがんの切除が難しく、手術に耐えられる体力のない患者も多いので、その場合は放射線療法などで対処する。大腸がんの世界的権威である昭和大学横浜市北部病院消化器センター長の工藤進英さんはこう話す。

「大腸は栄養分を吸収するため血管が多く集中しています。そのため門脈を介して特に肝臓に転移しやすいのです。血便や腹痛などの症状が出てからではすでに20%の人が肝臓や肺に転移しているので、とにかく40代にさしかかったら、定期的に内視鏡検査を受けてください」(工藤さん)

 大腸は消化管で消化・吸収された食べ物の残存物を排泄するという器官だけに、食べ物の影響が大きい。そこで、大腸がんを予防する効果が期待できる食べ物を紹介しよう。

「大腸がん予防の有力食品として注目されるのは、まずさばやさんまなどの青魚。脂肪分に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、がん細胞を細胞死させる働きがあります。また、緑黄色野菜に含まれるβカロテンも、体内でビタミンAになったときに発がん性物質を抑え込み、大腸がんだけでなく、胃がん、肺がんなどの予防に効果があるといわれています」(工藤さん)

 食物繊維も発がん物質を吸収し、便となって体外に排出させる役割などがあることから、有効といえる。これらの食品を使ったレシピは、和食が適している。ご飯なら、白米よりも抗酸化作用に優れた玄米か胚芽精米がおすすめだ。

 そのうえ、抗酸化力と抗がん作用を持つカテキンが豊富な緑茶や紅茶を飲めば、かなりの効果が期待できそうだ。肉食中心の欧米食を避け、伝統的な和食中心の食生活を心掛けたい。

※女性セブン2016年2月25日号

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