「会社の中核や一家の柱として責任が重くなるのに、体力や気力はどんどん衰えてくる。困難やトラブル、挫折に直面したときに乗り越えることが難しくなり、“元気になれる”などといった言葉にすがってしまうのです。
女性も同様で、家庭や子供のストレスから逃れるためにちょっとした軽い気持ちで手を出して、抜け出せなくなります」(小森さん)
一度覚せい剤に手を出したら、心も体もぼろぼろになり、その先には破滅への道しか待っていないといわれる。それが、依存症という恐ろしい病。薬の効果が体から抜けてもやめられなくなり、またもや手を出してしまう。
「やめると決めてもまた欲しくなる」
「やめたくてやめたくて仕方ないけれど、やりたくてやりたくて仕方ない」
薬物経験者が語る言葉からは、その欲望が理性ではコントロール不能であることがわかる。警察庁によると、覚せい剤の再犯率は64.5%。この数字は年齢が上がるごとに高くなり、40才以上で71.2%、50才以上では80.2%にもなっている。
1度でやめられる人の方が、ずっと少ない。実際、芸能界でも、清水健太郎(63才)は1994年、2004年、2010年、小向美奈子(30才)は2009年と2015年、元光GENJIの赤坂晃(42才)は2007年と2009年など何度も捕まっている。
2001年、2004年、そして2010年とこれまで3回逮捕された田代まさし(59才)は、現在、薬物依存症回復支援施設「ダルク」でスタッフとして働きながら、自らももう二度と覚せい剤に手を出さないよう、リハビリに取り組んでいる。
田代は清原容疑者の逮捕に際し「今日一日の生活を終えるのに必死で、明日はわからない。まだクスリが欲しくなる瞬間がある」とコメントし、自分もまだ当事者であると強調、一度落ちた穴から脱出することの難しさをテレビ番組で語った。
※女性セブン2016年3月3日