同様に、社会保険事務所や税務署などの職員を名乗って、“払いすぎた医療費の還付金が戻るので、近くのATMで指示通り操作を”という還付金詐欺に、60才以上が引っかかりやすいので注意したい。
「マイナンバーや東京五輪がらみなど話題のブームに便乗した手口も増えています。また、SF商法(催眠商法)で高額商品を売りつけたり、浄水器や着物などをいくつも買わせる“次々販売”などの悪質商法も後を絶ちません。こうした被害は、孤独な高齢者に多いようです」
親の家に頻繁に顔を出したり、こまめに電話で話したりして、どんな郵便物が届いているか、周りの人とどんな話をしているかなどを日頃から聞いておくのも被害防止に役立つ。
「もうひとつ、高齢者で急増中なのがアダルトサイトの相談です。60才以上の2009年度の被害者は7.6%でしたが、2014年度には21.3%に増えています」
その内容は、「歌手の動画再生ボタンを押したら請求画面が表示された」「アダルトサイトの請求画面が消せなくなった」「登録を取り消してと連絡したら、登録料約10万円を請求された」など。
「退会はこちら」「誤作動のかたはこちら」というボタンがあっても、これを押すと電話やメールが知られてしまうので要注意。決して業者に連絡せず、消費生活センターなどへの相談を。
詐欺の手口は日々進化しており、いつ親や自分が騙されてもおかしくない。それだけに、【1】「お金の相談は電話で絶対しない」、【2】「電話の際は合い言葉を言う」、【3】「家族と連絡が取れるまで焦って単独行動しない」など、電話に関する家族のルールを今すぐ決めておいてほしい。
※女性セブン2016年3月3日号