国際情報

潘基文国連事務総長 世界のメディアが無能・無策と酷評

潘基文事務総長の任期は今年末まで 共同通信社

 現国連事務総長の潘基文(パンギムン)氏は次期韓国大統領との呼び声も高い。しかし韓国で将来が有望視されるその人物は、国連のトップに就任して以来、世界中のメディアから批判されている。在米ジャーナリストの武末幸繁氏がレポートする。

 * * *
 昨年9月3日に中国・北京で行われた「抗日戦争勝利70周年」の記念式典に潘基文国連事務総長が出席した。日本の外務省は「中国の記念行事は、いたずらに過去に焦点を当てるものであり、国連としては中立的な姿勢を示すべきだ」と国連に抗議した。これに対し潘事務総長は、「『国連は中立』という誤解があるが、国連は中立でなく公平・公正な機関である」と反論した。

 潘基文事務総長は2007年1月の就任以来、無能・無策ぶりから「歴代最低の事務総長」(英ガーディアン紙他)と評されている。彼は国連で何をしてきたのか、もしくは何をしてこなかったのか。

 潘氏が事務総長に選出されるやすぐに問題にされたのが、行き過ぎた縁故主義である。元国連大使の崔英鎮氏を駐コートジボワール特別代表に任命するなど、有力ポストに韓国人を次々に充てた。さらに2007年には、娘婿のインド人が国際連合イラク支援ミッション(UNAMI)の官房長に抜擢されたが、この件をめぐっては国連職員組合が「親類縁者や友人を頼った求職」を批判する文書を採択する事態に発展している。

 しかし縁故主義などまだ序の口だった。米外交専門誌『フォーリンポリシー』2009年7・8月号に「どこにもいない男:なぜ潘基文は世界で最も危険な韓国人なのか」と題する論説が掲載された。

「歴代の事務総長も大した仕事はしてこなかったが、潘基文事務総長の無能ぶりは際立っている」との見方を示し、地球温暖化や国際テロ、世界金融危機への対応が求められているときに「潘事務総長は世界中で名誉学位を集めて回り、驚くほど記憶に残らない声明を発表するだけ。核拡散防止やアフガニスタン復興を国際世論に呼びかけるでもない。人権擁護者として活躍するどころか、難民を助けようともしない」と酷評した。

 潘氏のおかげで「国連は役に立たない組織になっただけでなく、あってもなくてもいいような存在になってしまった」とまで書かれている。

関連キーワード

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン