ビジネス

マツダも撤退のファミリーミニバン なぜバブルは終わったか

家族向けミニバンの地位どうなる(Tokyo image groups/PIXTA)

『魂動(KODO)』や『跳(HAZUMI)』などと称した革新的なクルマのデザイン改革が支持され、売れ行き好調なマツダがミニバンの生産・開発から撤退するという。

 ミニバンとは、セダンよりも室内空間が広く、商用車で見られる、いわゆるワンボックスカーをもっと実用的にしたクルマだ。近年のミニバンは3列シートで6~7人乗りは当たり前。その他、電動式のスライドドアや乗り降りしやすい低床などを売りに、主にファミリー層を中心に人気を集めてきた。

 マツダのミニバンといえば、1990年に国内市場で最上級ミニバンとして登場した「MPV」や、日産自動車にOEM(相手先ブランドによる生産)供給している「プレマシー」、2008年発売の「ビアンテ」と3車種を展開し、ミニバンブームの先駆け的な存在でもあった。

 そんなマツダの歴史を築いてきたカテゴリーから、手を引く決断をしたのはなぜか。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がいう。

「ミニバンは大人数を運ぶ移動手段としてだけ考えるのなら利便性は高いのですが、デザイン性や走りの楽しみを求めるユーザーにとっては『無用の長物』です。

 開発エンジニアにいわせると、寸法内ギリギリにデザインするミニバンのデザインは和菓子の“きんつば”に例えられるほど、どのメーカーがつくっても形の差別化が難しいうえに、背を高くすると重量が上がるので、コストアップは避けられない。もちろん、燃費も悪くなります。

『白物家電化したクルマは作らない』と言ってはばからなかったマツダにとっては、これ以上ライバル車種と似たり寄ったりのミニバンを作っていても意味がない。ましてや、優れたデザインで国際的にも評価の高くなったマツダ車のイメージを崩しかねないとの懸念から『必要なし』と判断したのでしょう。賢い選択だと思います」(井元氏)

 もちろん、一時期沸き起こった“ミニバンバブル”が弾けたことも大きい。いまは大人数も乗れ、かつデザインや走りにこだわったSUV(スポーツ多目的車)や「プリウス」(トヨタ)を筆頭とするハイブリッド車人気に押され、ミニバンを出せば売れる時代は終わった。カテゴリー全体の販売台数も10年前と比べて約3割減ったという。

トピックス

優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン