ライフ

若者に増えている飛蚊症、緑内障、白内障 原因を医師が解説

老人に多いとされる眼病の低年齢化が進んでいる

 近ごろ、老人に多いとされる眼病の低年齢化が話題だ。タレントの大桃美代子は40代で若年性白内障と緑内障を発症。10~20代で白内障や緑内障、飛蚊症を発症する例もある。三井記念病院の赤星隆幸医師はこう語る。

「総合的に、昔は多くなかった病気は増えてきていますが、必ずしもスマホの見過ぎが原因とは言えません。大気汚染など環境因子によるアレルギー、紫外線や放射線の影響、食生活の変化などが影響している可能性はありますね」(赤星医師、以下「」内同)

 そこで、白内障の新しい手術法を開発した眼科医で、大桃の手術も執刀した赤星医師に、主な眼病の発症原因と対策について解説してもらった。

■飛蚊症
「カメラにたとえると、光を集めるレンズ(水晶体)と光を感じるCCD(網膜)の間に、硝子体という透明なゼリー状の組織があります。硝子体は、年齢とともに中心部から少しずつ溶けていきます。この液化現象は、目の玉が大きい近視の強い人ほど起こりやすく、20代でも起こります。この液化が進むと、周りの部分はしっかりしたゲルでも、真ん中が溶けて水という不安定な状態が眼の中にできてきます。その状態で日常歩いたり走ったりしていると、眼の中でこのゲルが崩れます。

 もともと硝子体と網膜は、視神経乳頭や血管の部分で強く癒着していますが、硝子体が網膜から分離するときに癒着が剥がれ、硝子体混濁という濁りが眼球の中に浮かんで漂うようになります。白い壁や空などの単調な背景を見たときには、光がストレートに眼内に入りますので、それが陰になって映って見える。それが飛蚊症の正体です」

■白内障
「確かに、昔に比べ若年性の白内障が増えている印象はあります。一般的な白内障は、年をとってから出てくるもので、多くは60代以降です。30~40代の若年性白内障とは別に、今、アレルギーを持っている若者が白内障になるケースが増えています。アトピー性皮膚炎の場合、10代~20代にかけて白内障が出てきます。アトピー性白内障は非常に進行が早いのが特徴で、20才くらいで水晶体が真っ白になってしまい、手術が必要になるケースがあります。瞼がかゆいと頻繁に目をこすったり叩いてしまうことで、水晶体を吊っているチン小帯という組織が切れて、手術が困難になったり、網膜剥離を併発することもあるので、視力の低下を感じたら早めの受診をお勧めします。

 紫外線や放射線によって起きる白内障もあります。水晶体のたんぱく質は、酸化すると濁ってしまう性質があるため、強い紫外線や放射線によって、このたんぱく質が変成して核白内障が進行します。また、若くても近視が強い人で、硝子体のゲルが液化している場合、網膜にある血管からの酸素が水晶体に行きやすく、水晶体が酸化を受けて白内障になりやすいと考えられます」

関連記事

トピックス

遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン