子供の成長、夫の職業や年収、些細なことすらもマウンティングされいじめの温床にもなる…それがママ友だ。だからこそ、できるだけママ友を避けようとするお母さんもいるが、そうも言っていられない状況もあるようだ。
39才で1才の娘を持つA子さん(都内在住)は自営業。義理の母も近くに住んでいるため、あまりママ友を必要としていなかったが、あるときその気持ちに変化が。
「娘がインフルエンザになって病院に行ったとき、待合室で一緒になった同じ年くらいのお母さんと話したら、保育園や幼稚園の話に。私はまったく考えていなかったから、焦りました。なんとかなるって楽天的に考えてた。ママ友がいればこういう情報交換もできるんだなと、早速公園デビューしました」
A子さんは公園デビューと同時に、すぐに区の育児窓口に電話で相談。単刀直入に、「ママ友がいないんです」と言うと、窓口の担当女性は慣れた口調でやさしく丁寧に、「大丈夫ですよ、そういうかたはたくさんいらっしゃいます。まずは区で主催している交流会に行ってみたらいかがですか」と対応してくれた。
この情報交換という目的において重要なのは、“環境が同じ”ということだ。つまり、子供の年齢が同じ、住んでいる場所が同じ地域、勤め先が似ている、など境遇が似ていなければ意味がない。
3才になる息子がいるB美さん(都内在住・36才)が言う。
「出産後4か月で通い始めた産後ヨガは、ママ友をつくる目的もありましたが、地域の助産師さんがやっていたので近所のママばかり。ネットからは拾えないような子育てイベント情報や、遊具が豊富な公園、子連れでもゆったり過ごせるカフェとかを知ることができた。今って電車で邪魔とか言われたり、ベビーカーで遠出するのが難しいから、地域で情報交換ができてよかった」
こうした思いが強くなると、SNSでのママ友交流につながるのだという。海外移住経験もある、All About「子育てガイド」でジャーナリストの河崎環さんはこう話す。
「Facebookなどに、“○年△月□日生まれ”“××区在住”などとタグをつければ、タグで検索して一気に同じ条件の人とつながることができます。“メーカー勤務ママ”や“マスコミママ”など業界ごとのグループが作られてオフ会が開かれたりもする。SNSで、物理的な距離を気にせずにママ友をつくることができるようになったのです。そのくらいママたちは、同じ状況の友達を探しています」(河崎さん)
就活して仕事して、婚活して結婚して、妊活して出産したら今度は「ママ友活」。終わりなき情報探しの旅は、いつまでも女性たちをさまよわせる。
※女性セブン2016年3月17日号