実は、彼女は妊娠の3年も前から、自身の妊娠、出産を時期に至るまで予感し、赤ちゃんが女の子であることも確信していたという。そして迎えた2014年の冬、蝶々さんは自らの妊娠を知る。
「それまでだって同棲の経験もあるけれど、1度も妊娠したことはありませんでした。ですから、まさに “さずかった”、という思いなんですけど、より正確に言うと“赤ちゃんに強引に侵入された”って感じですね(笑い)」
そして、妊娠がはっきりした頃、お腹の赤ちゃんに“あまみ”という胎内ネームをつけた、とも。
「お腹の赤ちゃんと会話するというと、あやしまれたりするんですが、きちんと語りかけて、耳を澄ませば、妊婦さんは誰でも絶対に聞こえてくると思う」
まもなくつわりに悩まされるようになった彼女は、食ベ物も受けつけなくなり、嘔吐が続く日々を送るようになる。
「さすがの私も自虐的になりました。若い頃は不良だったし、お酒もたくさん飲んできたから、体内に毒が多すぎてこんなにつらいめに遭うんだって…。今思い返すと、そんなふうに自虐的になったことで、世の中にはなんでも自分の思い通りにはならないことや、きれいごとは通らないことがあるのを初めて知ったんです。だから、これはこれで自然のままを受け入れようって、腹をくくれたんです」
若くして銀座ホステス兼作家となり大成功した蝶々さん。それが四十を迎えて初めてづくしの経験が、彼女を大きく変えた。腹をくくった彼女からは、どんな物事も受け入れる強さと、楽しもうという前向きさが伝わってくる。
※女性セブン2016年3月24日号