「私の手元にはお金は1円も返ってきていませんよ。K氏は協会に対して、当時うちの従業員だった人間(ある力士の元マネージャー)にお金を返したと証言していますが、その元従業員から私のところにお金が戻された事実もない」

 K氏にもこの証言をぶつけたが、締め切りまでに回答は得られなかった。相撲協会もK氏の処遇などについての質問に「この件について、お答えすることはありません」とするのみ。K氏が受け取った1700万円もの裏ガネがどこにいったのか、疑惑は全く晴れていない。

 そんなK氏が理事長選のキーマンとなり、両陣営は真っ向から対立したまま運命の3月28日を迎えるが、帰趨はすでに決したとする声もある。

「春場所前半戦に、八角理事長と大阪の維持員で構成される『東西会』の幹部の懇親会があった。東西会の中には、出羽海一門に大きな影響力を持つ幹部が数人います。八角理事長は彼らにはたらきかけて、理事長選の浮動票とみられていた出羽海一門の3票を固めたとみられている。

 その見返りに木戸御免(※注/相撲協会が長年の貢献・援助などを理由に、個人に対して木戸口の無料入場を認めること)を乱発しているわけだが、背景にはK氏へのアレルギーもあっての結束だろう」(東西会メンバーの一人)

 貴乃花陣営の劣勢は明らかで、協会関係者は「貴乃花親方は出馬を辞退するのでは」とまでいう。K氏という影の主役の存在によってより一層、ドロ沼化した理事長選。白黒はっきりした後も、禍根が残るのは間違いない。

※週刊ポスト2016年4月8日号

関連記事

トピックス

2日間連続で同じブランドのイヤリングをお召しに(2025年5月20日・21日、撮影/JMPA)
《“完売”の人気ぶり》佳子さまが2日連続で着用された「5000円以下」美濃焼イヤリング  “眞子さんのセットアップ”と色を合わせる絶妙コーデも
NEWSポストセブン
石川県を訪問された愛子さま(2025年5月18日、時事通信フォト)
「バッグのファスナーをすべて開けて検査」愛子さま“つきまとい騒動”で能登訪問に漂っていた“緊張感”
NEWSポストセブン
逮捕された不動産投資会社「レーサム」創業者で元会長の田中剛容疑者
《無理やり口に…》レーサム元会長が開いた“薬物性接待パーティー”の中身、参加した国立女子大生への報酬は破格の「1日300万円」【違法薬物事件で逮捕】
週刊ポスト
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さんが第1子出産》小室圭さんが母・佳代さんから受け継ぐ“おふくろの味”は「マッシュポテト」 関係者が明かす“佳代さんの意外な料理歴”とは
NEWSポストセブン
群馬県草津町の黒岩信忠町長、町長からわいせつ被害を受けたという嘘の告訴をした元町議の新井祥子被告
「ずるずるずるずる、嘘を重ねてしまいました」…草津町長への“性被害でっち上げ” 元女性町議が裁判で語った“発言がどんどん変わった理由
NEWSポストセブン
打順もポジションも固定できずにいる(阿部慎之助監督)
巨人OB・広岡達朗氏、岡本和真の故障離脱は「アクシデントではなく阿部監督による人災です」 守備を固定できず失策数はリーグワーストに
週刊ポスト
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん明かす「バレーボール愛」と秘かに掲げていた「今年の目標」
NEWSポストセブン
西内まりやがSNSで芸能界引退を発表した(Aflo)
《電撃引退の真相》西内まりや、金銭トラブルの姉と“絶縁”していた…戸籍を抜き、母親とも別居に至った「深刻な事情」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《RYOKI・三山凌輝が活動休止》結婚予定の趣里、父・水谷豊は“何があっても様々な選択ができるよう”新会社設立の親心
NEWSポストセブン
6月は“毎年絶好調”というデータも(時事通信フォト)
《ホームラン量産モードの大谷翔平》6月は“毎年絶好調”で「月間20本塁打」もあるか? 見えてくる「年間60本塁打」昨季を超える異次元記録
週刊ポスト
秋篠宮と眞子さん夫妻の距離感は(左・宮内庁提供、右・女性セブン)
「悠仁さまの成年式延期」は出産控えた姉・眞子さんへの配慮だった可能性「9月開催で眞子さんの“初里帰り”&秋篠宮ご夫妻と“初孫”の対面実現も」
NEWSポストセブン
性的パーティーを主催していたと見られるコムズ被告(Getty Images)
《フリーク・オフ衝撃の実態》「全身常にピカピカに」コムズ被告が女性に命じた“5分おきの全身ベビーオイル塗り直し”、性的人身売買裁判の行方は
NEWSポストセブン