スポーツ

甲子園「秀岳館だけには優勝させるな」という雰囲気あった

秀岳館の強引な手法には反発も多かったという

 春のセンバツ初優勝目前で散った熊本・秀岳館高校──。彼らが敗退したことに高野連は、胸をなでおろしているという。事の発端は一回戦の花咲徳栄戦。秀岳館は「サイン盗み」を疑われ、球審が試合を中断して同校の鍛治舎巧監督に注意した。

「試合後、鍛治舎監督は“紛らわしいことをやってはダメ。注意されて残念だ”と反省の素振りでしたが、額面通りに受け取った高野連関係者はいない。鍛治舎監督はサイン盗みが横行する社会人野球の監督を長年務めており、高野連は“確信犯”と見ているようです」(スポーツ紙記者)

 元々、秀岳館への風当たりは強かった。同校は熊本の高校だが、ベンチ入りメンバーに熊本出身者はゼロ。東北代表の「八戸学院光星」「青森山田」にも県外出身者が多いが、その2校と秀岳館には違いがある。

「鍛治舎監督はパナソニック野球部監督時代、大阪のボーイズリーグの名門『オール枚方ボーイズ』を兼任して、2013年にはチームを史上初の中学硬式野球5冠に導きました。

 そして2年前、秀岳館の監督に就任する際、その5冠メンバーを根こそぎ同校にスカウトした。大阪や東京の甲子園常連校に入学できなかった球児が越境したケースとは異なり、チーム丸ごと、他県に“移籍”するのは前代未聞です」(同前)

 こうして「3年以内に日本一」になると公言してスタートした鍛治舎監督。だが、その強引な手法に批判は多かった。

「今大会のスタメンメンバーのうち7人が枚方ボーイズ出身で、高野連内部では“大阪第2代表だ”と揶揄されています」(同前)

 高野連が秀岳館を問題視するのは、高校野球の「理念」があった。

「教育の一環として、地道に生徒を指導するのが高校野球の本筋です。鍛治舎監督の手法は、とても教育の一環とは言えません。地元の方々も熊本出身者ゼロのチームじゃ愛着も湧きませんし、応援する気も失せてしまう。

“佐伯天皇”と呼ばれた佐伯達夫・元高野連会長なら、このチームに出場権を与えていないと思います」(高野連関係者)

 高校野球のイメージを壊しかねないため、高野連内部では「秀岳館だけには優勝させるな」という雰囲気が流れた。

 こうした批判について秀岳館に話を聞いた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
「全国障害者スポーツ大会」を観戦された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月26日、撮影/JMPA)
《注文が殺到》佳子さま、賛否を呼んだ“クッキリドレス”に合わせたイヤリングに…鮮やかな5万5000円ワンピで魅せたスタイリッシュなコーデ
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
遠藤
人気力士・遠藤の引退で「北陣」を襲名していた元・天鎧鵬が退職 認められないはずの年寄名跡“借株”が残存し、大物引退のたびに玉突きで名跡がコロコロ変わる珍現象が多発
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
相撲協会と白鵬氏の緊張関係は新たなステージに突入
「伝統を前面に打ち出す相撲協会」と「ガチンコ競技化の白鵬」大相撲ロンドン公演で浮き彫りになった両者の隔たり “格闘技”なのか“儀式”なのか…問われる相撲のあり方
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン