芸能

Eテレ体育実技番組 元五輪選手が「超人サイボーグ」に指導

大人が見ても面白い『はりきり体育ノ介』(公式HPより)

 小学校体育実技の「できるポイント」、「できないポイント」を解説する異色のテレビ番組『はりきり体育ノ介』(NHK・Eテレ)が話題を集めている。実技を自ら演技して見せるのは、オリンピック代表になった元選手らプロのアスリート、番組の主人公はなぜか「超人サイボーグ」という一風変わった設定。小学生向けの番組だが、大人でも充分楽しめる、とコラムニストのペリー荻野さんが見所を解説する。

 * * *
 薄着になる季節。冬ぽっちゃりをなんとかしたい、春から体を動かしたいという人にお薦めしたいのが、NHK・Eテレの『はりきり体育ノ介』だ。
 
 本来は、小学校3年生以上を対象とした体育実技教育番組。タイトルから「時代劇系?」と思われそうだが、実はその正反対の未来系。主人公の体育ノ介は仲代達矢似の科学者博士博士博士(はくしひろしはかせ、と読みます)が開発した「超人サイボーグ」なのである。

 外見は、右半身が赤で左半身がメタリックな銀色というひとり運動会仕様のボディーに体育着と体育帽、白いハイソックスとスニーカーを着用。顔は赤銀半々のマスクに目元には未来的な黒グラスがキラリ。HPで確認できる彼の握力は左右ともに99キロ、腹筋は9999回できるという。そんなに体力があるなら体育はなんでも完璧だろうと思うのだが、開発時、博士はうっかり体育ノ介に「体育の力」を導入するのを忘れてしまったのである。おかげで体育ノ介は、走れば幼稚園児に追い抜かれ、鉄棒をすればドタドタするばかり。そこで博士が見込んだ先生を呼んで、お手本演技を分析。体育ノ介にその技をインストールしていくのだ。

 お手本の先生はとっても豪華。四月第一弾の「さかあがり」では、アテネ五輪で「栄光の架橋」を渡った元体操選手の冨田洋之さんが登場した。「けり足は鉄棒の真下か少し前」「ひじを曲げ、おなかを引き付ける」などと懇切丁寧に説明。うまくできない体育ノ介と富田さんの動きを並べると、違いは一目瞭然だ。
 
 続いてのコーナーで体育ノ介は、コツを伝授すべく、実際の小学校に出向いて、子供たちと頑張る。体育ノ介はぴっちりマスクフェイスなので、「どこまで手を振るの?」などと質問されると、すべて無言でタブレットを示したり、実演してみせるのみ。びっくりしたのは、「走るに挑戦だ!」の回。体育ノ介は北京五輪陸上メダリストの朝原宣治さんに指導を受け、カッコいい走りを会得して小学校に行ったのだが、真剣勝負の50メートル走で俊足小学生に敗退してしまったのだ! 

 しかし、これこそが体育ノ介のいいところ。トップだった子に「(体育ノ介は)後ろにいて見えませんでした」と言われても、他の子に「中身なんですか」などと言われてもひたすら無言で奮闘する体育ノ介は偉い。超人サイボーグの中身を聞くな!! 私は君の番組のおかげで子供時代、ものすごく苦手だった「台上前転」のポイントが「跳び箱の手前で手をつく」「すばやく頭を入れる」だということが数十年の時を経た今、わかったよ。ありがとう!!

 ところで、体育ノ介のぴっちりマスクで、水泳をどうするのかと心配になった方も多いと思う。そんな時は大丈夫!! 体育ノ介の兄の「水泳ノ介」がきっちりと水泳を伝授してくれるのだ。マスクの口部分はきっちり開いて呼吸可能な水泳ノ介には魚介類の声を聞き取る特技がある。HPによると「1984(昭和59年)誕生。昭和生まれなんだ…。

 10分間の番組ながら内容は盛り沢山。大人も見ただけで筋肉を動かしたくなる。主題歌『ああ、人生に体育あり』の歌詞も素晴らしい。ちなみにみなさんは小学生が体育でやる「ロンダート」って知ってました? 恥ずかしながら私は知りませんでした。もちろん技もコツも体育ノ介がしっかり教えてくれます。

関連記事

トピックス

11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
平沼翔太外野手、森咲智美(時事通信フォト/Instagramより)
《プロ野球選手の夫が突然在阪球団に移籍》沈黙する妻で元グラドル・森咲智美の意外な反応「そんなに急に…」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)は被害者夫の高羽悟さんに思いを寄せていたとみられる(左:共同通信)
【名古屋主婦殺害】被害者の夫は「安福容疑者の親友」に想いを寄せていた…親友が語った胸中「どうしてこんなことになったのって」
NEWSポストセブン
高市早苗・首相はどんな“野望”を抱き、何をやろうとしているのか(時事通信フォト)
《高市首相は2026年に何をやるつもりなのか?》「スパイ防止法」「国旗毀損罪」「日本版CIA創設法案」…予想されるタカ派法案の提出、狙うは保守勢力による政権基盤強化か
週刊ポスト
写真/イメージマート
《“ライス販売停止”騒動他》2025年の事例に見る「不毛な炎上案件」はなぜ生まれるのか?大人力を発信するコラムニストが解説
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《累計閲覧数は12億回超え》国民の注目の的となっている宮内庁インスタグラム 「いいね」ランキング上位には天皇ご一家の「タケノコ掘り」「海水浴」 
女性セブン
米女優のミラーナ・ヴァイントルーブ(38)
《倫理性を問う声》「額が高いほど色気が増します」LA大規模山火事への50万ドル寄付を集めた米・女優(38)、“セクシー写真”と引き換えに…手法に賛否集まる
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン
大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、不動産業者のSNSに短パン&サンダル姿で登場、ハワイの高級リゾードをめぐる訴訟は泥沼化でも余裕の笑み「それでもハワイがいい」 
女性セブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《ベリーショートのフェミニスト役で復活》永野芽郁が演じる「性に開放的な女性ヒロイン役」で清純派脱却か…本人がこだわった“女優としての復帰”と“ケジメ”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の一足早い「お正月」》司組長が盃を飲み干した「組長8人との盃儀式」の全貌 50名以上の警察が日の出前から熱視線
NEWSポストセブン