最初は独裁する人の給料を安くしておいて、任期が終わった時に国民投票で「あいつはようやった」と評価されたら給料を上げてあげる。あかんかったらお金をあげない。その際、独裁する人が私利私欲に走らないようにするため、不正をしたらその人の5親等先まで被選挙権を奪うとか、お金の管理は第三者機関に任すとかも必要です。その辺はもっと賢い人たちに考えてもらったらいいと思います。
とにかくそれだとみんなの気持ちを考えるだろうし、その人が自分の給料を上げるためだとしても最後まで世の中にええことしようと頑張る。
人間だからミスもあるでしょう、本気で日本を良くしようとしても痛みを伴うかもしれない。でも「みなさんちょっとずつ我慢してください。必ず日本を良い方向にします」と真心と覚悟を持っている人なら、もうちょっと見守ってあげてもいいかと思います。独裁でも責任の所在と手柄をハッキリすればもっと良い方向に進むんじゃないでしょうか。
でも「その『良い独裁者』をどうやって決めんねん?」って言ったら投票やろうけど、そうなるとまた、バックに企業や団体も付きだすだろうし……難しいですね。
今の政治というか日本の仕組みでイヤなとこって、政治家が日本のためでなく、自分の後ろにいる先輩政治家や企業・団体、諸外国のために政治をしているところ。それと自分の政党をよく見せるために相手を攻撃したり、自分が生き残るために政策的には合致してないのにひっついて新しい政党作ったりするのも。
私利私欲を捨て、公のためだけに頑張る政治家が出てくるシステムって、なんかないもんですかね?
【PROFILE】小籔千豊●こやぶかずとよ/1973年、大阪府生まれ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。2006年吉本新喜劇の座長に就任。『ノンストップ!』(フジテレビ系)などレギュラー多数。
※SAPIO2016年5月号