芸能

大河と戦隊モノ好評の寺島進 「伝統守る男」と評されるワケ

振り幅の大きい演技が好評の寺島進

 NHK大河ドラマ『真田丸』で出浦昌相役を演じている俳優・寺島進(52才)。従来のイメージ通りコワモテな雰囲気を漂わせて同役を好演しているが、そうした一面だけが寺島の演技力ではなかった。同じ日曜の朝に放送されている戦隊モノではまったく別の顔を見せているのだ。寺島の演技についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 寺島進といえば、強面おやじ系俳優として、北野映画や刑事ドラマなどで活躍しているが、今年は大河ドラマ『真田丸』の出浦昌相役で出演中。真田昌幸(草刈正雄)を見込んで家臣となった出浦は、忍びの佐助(藤井隆)ら隠密集団を指揮する。神出鬼没で裏工作、暗殺など汚れ仕事もいとわない。眼光鋭く、地獄耳。微妙なヒゲも怪しげ。茶色や赤の鳥の羽がついたワイルドな羽織をまとった出浦は、サングラスをしていないのにとがったサングラスをしているように見える。寺島の雰囲気にぴったりである。

 もともと古くから語り継がれる真田信繁(幸村)の物語には、猿飛佐助、霧隠才蔵など超人的活躍をする「真田十勇士」が欠かせないのだが、史実では確認できないせいか、大河ドラマには登場しづらい。寺島の存在感は、そんな伝統的な真田ワールドを佐助とともに受け継いでいるようにも見える。一方、寺島は放送中のスーパー戦隊シリーズ『動物戦隊ジュウオージャー』では、まったく違う顔を見せている。

 ひとりの人間(駆け出しの動物学者・風切大和)と四人のジューマンが結束して、悪と戦うジュウオウジャー。メンバーは赤(大和)が大空の王者「ジュウオウイーグル」、黄がサバンナの王者「ジュウオウライオン」、青が荒海の王者「ジュウオウシャーク」、緑が森林の王者「ジュウオウエレファント」、白が雪原の王者「ジュウオウタイガー」。王者大集合の動物ドリームチームなのである。しかし、彼らは異世界出身の動物だけに日本には家がない。寺島演じる森真理夫は、リーダー格の大和の叔父で動物彫刻家。彼のアトリエは、ジュウオウジャーたちのたまり場になっているのだ。真理夫は、戦いで疲れたジュウオウジャーたちに「チャーハンだぞ~」と美味しい物を作って迎えたりする。心優しい男だ。

 実は「若き戦隊ヒーローたちを助けるおやじさん」もシリーズにしばしば登場する伝統的ポジション。前作『手裏剣戦隊ニンニンジャー』では笹野高史と矢柴俊博、前々作『烈車戦隊トッキュウジャー』では関根勤がこの役を務めているし、過去には伊吹吾郎や斉木しげるも演じてきた。

 驚くのは真理夫はなぜか毎回のように動物のコスプレをして出てくること。2002年の『忍風戦隊ハリケンジャー』では、おやじさん的存在だった忍者学校の館長(西田健)が突如ハムスター(実写)になってびっくりしたが、コスプレをするおやじさんは初めてだ。寺島はつぶらな目をした鹿やアシカ、大きなトサカのついたニワトリ姿に。

 このコスプレの特長は、全体に玩具っぽく、頭部分もメルヘンタッチで寺島の顔が全部隠れていないこと。愛らしいアニマルフェイスの隙間から、強面寺島進がこんにちは。なかなかにすごい図になっている。先日の放送では、コスプレがいつまでたっても出てこなかった。ひょっとしてコスプレ終わり?と思って次回予告をコマ送りして必死にチェックしてみたら、水色のマンボウ(?)になった真理夫を発見。まだまだやる気だ…。

 毎週日曜日「朝の顔と夜の顔」で伝統を守る男。2016年の寺島進のキャッチコピーは、これに決まりだ。

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン