菊五郎は自宅前で発言の真意を語った。
──なぜ眞秀くんに梅幸を?
「今は、その前の名前を考えなくちゃいけないなと思っているのね。そして、ゆくゆくは私の父(7代目尾上梅幸)が継いでいた梅幸を継がせようという考えはある」
──眞秀くんに歌舞伎役者の素質を感じるか。
「まだわからないな。でも、今は歌舞伎がとっても好きみたいだよ。やっぱりお父さんの血かな。アートが好きなんですよね。絵を見たり、歌舞伎を見たりするのが、本当に好きなんだ。でも、子供の時には名子役でも、大人になりゃ、ただの凡人になっちゃう人もいる。全然まだまだ、海のものとも、山のものともわからないんでね(と言いながら目を細める)」
──菊之助さんの長男・和史くんよりも先に名跡を明かしたのはなぜ?
「和史は菊五郎を継がせる本流にいるけど、それはまだわかんないよ。この道ばっかりはわからない。5~6才で初舞台を踏んで、それからどういうふうに伸びるか」
──いずれは一緒に舞台に立ちたいでしょうね。
「(照れ笑いを浮かべ)…嫌だね。父と私と幼い頃の菊之助と3人で舞台に立ったとき、自分は踊りながらも、子供のことばっかり気になっちゃって。自分が役者をやりながら、そこに孫が出てくるとね…。すっごく気を使うから(笑い)」
※女性セブン2016年4月28日号