国際情報

中国が爆買い客に課税強化 空港で化粧品など廃棄も

中国が爆買い客への課税を強化する動き

 中国では4月8日から突然、海外で購入した商品を中国内へ持ち込む際の課税を強化する措置を実施した。これを知らなかった一部の中国人観光客は上海や天津などでは、税関検査の前に、課税率が高い酒や化粧品を空港内に捨てるなど、ゴミとなった高価な商品が散乱。なかにはスーツケースごと捨てるなどしており、空港係員が掃除に走り回るなどの光景がみられていた。北京紙「新京報」が報じた。

 中国財政省は8日から関税を品目によって最高で倍以上に引き上げた。酒や化粧品、などは従来の50%から60%に、高級時計は30%から60%。衣類や自転車、ビデオカメラなどは20%から30%に、さらにカメラや食品、飲料水、玩具などが10%から15%にそれぞれ税率が引き上げられた。

 ところが、8日に海外から帰国したものの、この税率の引き上げを知らない中国人観光客のなかには、「友達に頼まれて買ってきたのに、高くなった税金分が払い切れない」などとして、税関検査の前に、買ってきた商品を捨ててしまう光景も見られた。

 中国では国内で売られる輸入品に対して、関税のほか、消費税に相当する増値税やぜいたく品などへの税金がかかっており、日本など海外で直接購入した方が安い場合がある。しかし、今回の増税によって、そのメリットも半減しており、日本を訪問する中国観光客の爆買いにも大きく影響することが懸念されている。

 これは中国政府が国内消費を増やすために、海外での爆買いを抑制させることを狙った措置とみられている。

 これを裏付けるように、中国政府は8日から、インターネット通販で購入した衣類や日用品などの1100あまりの外国商品に新たに課税する措置を適用。さらに、2000元(約3万3000円)を超える海外商品を買ったり、年間2万元(約33万円)を超えた場合、個人消費と認めず、通常の貿易と同じ関税をかけるという規則に変えるなど、外国商品に厳しい課税方針をとることを決めている。

 中国メディアによると、海外旅行に出かけた中国人観光客が昨年1年間で使った金額は前年比53%増の1兆3500億元に上っているが、その一方で、中国を訪問した外国人観光客の消費金額は3846億元にとどまり、1兆元近い赤字となっている。

関連キーワード

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト