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好色一代男モデルの在原業平 女性への猛アプローチが凄かった

「夜這い」の慣習や「春画」「艶本」などの文化に代表されるように、日本人は古来、豊かな性生活を営んできた。後世に名を残す偉人たちの中にも、色事に関して「豪の者」と呼ばれた人物が多くいた。

『愛欲の日本史裏絵巻』の著者・山科薫氏の協力のもと、数多の歴史資料を紐解き、「性豪ランキング」を作成した。ここではトップ3を紹介しよう。

 1位に輝いたのは、『古今和歌集』に多くの歌を残した平安期の貴族、在原業平。江戸時代初期の浮世草子作者・井原西鶴が著した『好色一代男』のモデルといわれる。

「関係を結んだ女性がとにかく多い」と山科氏はいう(以下、カギ括弧は山科氏)。

「彼の性遍歴は江戸期に“1000人斬り”といわれていたようですが、その後の文献研究によって、55年の生涯で下は10代から上は99歳まで、ありとあらゆる世代の女性3733人を抱いたという記録が発掘されています。

 業平の凄さは気に入った女性への積極的なアプローチです。『伊勢物語』には、世界三大美女に数えられる小野小町に和歌を送って言い寄り、あえなく撃沈する話も出てきます。史実かどうかは議論の残るエピソードですが、その“情熱”を含めて性豪ナンバーワンに相応しいと思います」

 2位に選ばれたのは、24歳下の妻との性行を俳句に記録した小林一茶。

「やせ蛙 負けるな一茶 これにあり」

 雌蛙を奪い合う2匹の雄蛙のバトルを、弱い蛙に同情しながら詠んだ一茶の有名な句だが、実生活での一茶は晩年に“やせ蛙”を卒業すると、精力の強さを存分に発揮した。

「52歳の晩婚でしたが、24歳も若い妻を娶るとひたすらセックスに耽り、俳句の脇に『晴三交』などと、その日の天気とセックスの回数を記していました。この妻とは数年で死別しますが、後妻を娶るとまさに“死ぬまでSEX”に励み、世を去った翌年に第5子が生まれました」

 1位の歌人・在原業平とは対照的な「妻一筋の性豪」である。

 3位になったのは、徳川幕府11代将軍の徳川家斉だ。将軍の正室を筆頭とし、数多くの側室たちのヒエラルキーが形成された江戸城の「大奥」。そこに40人以上の側室を置き、55人もの子供をもうけたのが徳川家斉だった。

 その人数もさることながら、精力増強のために傾ける情熱も半端ではなかった。

「鎖国中の時代、オットセイのペニスを粉末にした精力剤を所望していたことが明らかになっています。日本国内では捕獲できないので、中国やオランダから長崎の出島経由で入手していたと思われます」

 手配する家臣たちはさぞや大変だったことだろう。

※週刊ポスト2016年5月27日号

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