『ザ キタノ ニューヨーク』(アメリカ)、『インターコンチネンタル ザ ウィラード ワシントンDC』(アメリカ)、『コンラッド・ロンドン・セントジェームス』(イギリス)。これらは舛添氏が海外出張時に宿泊したホテルの一部。舛添氏はいずれのホテルでもスイートルームに泊まった。その理由は「要人の急な面会にも礼を失しないため」というが、ホテル評論家の瀧澤信秋氏は違和感を隠せない。

「ホテルのランクがバラバラなんです。例えばワシントンのインターコンチは最高峰のホテルといえますが、ニューヨークのキタノは2ランク以上下。舛添さんはスイートルームだけにこだわったのかなというのがぼくの印象です」

 各自治体の出張規程は「国家公務員等の旅費に関する法律」などに沿って条例で規定されている。例えば宿泊費の上限は、都知事の場合、内閣総理大臣や最高裁長官などと同じ1泊4万200円。ちなみに大阪府知事や千葉県知事は、副大臣と同じ上限で2万9000円となる。

 しかし舛添氏の宿泊費は1泊10万円以上のスイートルーム。前出の『コンラッド』は、規定の5倍にもあたる1泊19万円8000円にものぼるが、ルール上問題はない。保安上の問題や急な面会に備えるといった理由で、人事委員会に増額を申請して承認されればOKとなるからだ。新潟大学法学部の田村秀教授が説明する。

「実際問題として、海外の主要都市では4万円での宿泊が厳しいところもある。ただ合計金額が何千万にもなるなどは考えるべきところ。それに普通に考えて、都知事の国際交流において、急な面会や会議はまずないでしょう。出発前にスケジュールはきっちり決まっていますから。首相など一国の主であれば別ですけどね。仮に急な会議が入ったら、それから探せばいいわけです。東京都でしたら現地のネットワークもあるでしょうし、数百万という高額なガイドも雇っているようですから、急なことにはいくらでも対応できるはずです」

 今回の騒動の発端となったのは、3月8日に報じられた《(昨年10月の)ロンドン・パリ出張費 20人5泊で5000万円》という報道だ。為替など経済状況が異なるため、金額は一概に比べられないが、随行員の数に注目すると、舛添氏は歴代都知事と比べても、突出してその数が多い。前出の平井鳥取県知事は、国内外の出張にいつも1人で出かけることで知られている。

「私自身はなるべく出張については簡素に効率的に行うようにしたいと考えて動いております。たぶん舛添さんもできるはずだと思うんですが、例えば、航空チケットをカウンターで手続きするとか、それから宿で支払いするとか、そういうのは自分でやればいいわけです」(平井氏)

 舛添氏は英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、イタリア語が堪能で、その習得法について本まで出すほど。騒動発端のロンドン・パリ出張で計上されている、「現地案内人の経費」532万円以上は、間違いなくコストカットできるだろう。

「ポケットマネーならどう使ってもかまいませんが、いずれも血税です。政治資金の公私混同疑惑などを見るにつけ、金銭感覚がせこいですよね。だからこそ、海外出張でこんなお金の使い方をしてしまうのかもしれません。舛添さんの感覚は、多くの都民とズレていますよね」(田村氏)

※女性セブン2016年6月2日号

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