国内

舛添氏の豪華海外出張を精査し浮上する多くの違和感

海外出張は2年で8回、総額約2億1300万円

 舛添要一都知事(67才)は、取り沙汰されている政治資金私的使用疑惑について、5月13日の会見で一応ひととおり説明した。本当に「精査」されたうえでのものだったかはさておき、だ。しかし、もうひとつ聞き流すことができないのが、都知事に就任してからの2年で計8回に及ぶ、海外出張で約2億1300万円を計上している問題だ。

 これは、ファーストクラス渡航、スイートルーム泊、「大名行列」と揶揄される随行員の多さ、が主な原因だ。

「今、どうやったら削減できるか、一生懸命考えている」

 会見で舛添氏は、小難しい表情を浮かべてそう答えたが、「白紙の領収書」を精査するよりも、単純に解決できる。

「疲れて行っては意味がない。仕事の成果を出すため」。舛添氏はファーストクラスを利用する理由をそう説明している。

 鳥取県の平井伸治知事(54才)は「やっぱり東京のような大企業は違うなというのが中小企業の鳥取県の感覚であります」と前置きし、こう続けた。

「実は規定上はファーストクラスを使えます。ただ納税者への説明責任という観点では、やはり大きなお金を持っている県ではありませんし、ビジネスクラスで充分だろうと考えて、規定よりはワンランク下のクラスを使用しています」(平井氏)

 エコノミーに乗るのが当然の庶民にとって、ビジネスクラスは極上の空間。さらにその上をいくファーストクラスとはいったいどんな場所なのだろうか? VIPフライトのファーストクラス担当としての乗務経験を持つ、日本CA協会会長の真山美雪さんが説明する。

「まず搭乗前から違います。チェックインもセキュリティチェックもファーストクラス専用で、所要時間はビジネスクラスより早くできます。ラウンジは限られた人だけ入れて、食事や飲み物も充実していますし、マッサージや靴磨きのサービスもあります。

 機内へは、専用の入口でたくさんの人に会わずにすみます。機内食はビジネスクラスよりワンランク上で、最高級のキャビアやシャンパン、ワインをリストから選べます。シートもゆったりしていて、ヘッドホンにいたるまで最高級の品が使われています。

 舛添さんがおっしゃった“疲れない”という面では、幅の広いフルフラットで囲われたベッドになる“空間とプライバシー”、そして時間を求めていらしたのかもしれませんね」

 世界的VIPはもちろんファーストクラスを利用するし、ビジネスクラスやエコノミークラスとは無縁ともいえる。しかし注目を集めているウルグアイのムヒカ大統領や、財政難のギリシア大統領もエコノミーが基本。イギリスのウイリアム王子とキャサリン妃、ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリー一家も、エコノミークラスを利用していることで知られる。そう考えると、この精査も舛添氏には容易にできそうだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン