国民的関心事となった『笑点』(日本テレビ系)の大喜利新司会者発表。結果は春風亭昇太(56)というサプライズ人事だった。昇太を新司会者に推薦したのは、他でもない前司会者・桂歌丸(79)だった。その理由を本人が明かす。
「まず若さ、明るさ。そして即興力があるわけですよ。あの方は新作落語をやりますよね。古典も“昇太流の古典”でやる。同じネタでも昇太さんがやるとガラッと違ってきちゃうわけです。笑点はこれから何十年も続けてもらいたい。そのために若い昇太さんを推薦しました」
笑点の高座を見慣れていると、歌丸がメンバーを褒めている様子は違和感を覚えずにはいられない。当の昇太本人も司会を打診されたときは面食らったという。
「司会の話を頂いたときは、ドッキリじゃないかと思って周りにカメラがないか探してしまいましたよ。発表後、知人や友人からのメールとか電話が殺到して『笑点の司会とは、こんなにすごいことなのか』と後から実感しました」(昇太)
現在、56歳の昇太だが、『笑点』では若手の部類に入る。その若さで司会を務めるとなると、円楽だけでなく林家木久扇(78)、三遊亭小遊三(69)、三遊亭好楽(69)という一癖も二癖もある諸先輩方を相手に大喜利を回さなければならない。
「もう考えないようにしてます。考えちゃうとできなくなるような気がして」
そう偽らざる気持ちを漏らす昇太に、お節介ながらも大喜利司会者としての心得を歌丸師匠に聞いてみた。
「全員が同格だと思うこと。舞台の上では先輩も後輩もありません。みんな同格なんだから、決して引いちゃいけない。相手が木久ちゃんだろうが、円楽さんだろうが、好楽さんだろうが、どんどんぶつかっていってくれと言いたい」(歌丸)
※週刊ポスト2016年6月10日号