2位に入った『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』である。シリコンバレーの有名ハッカーが糖質やカロリー制限など、世界中の食とダイエットを検証したというこの一冊は、昨年9月に出版されたところ、みるみるうちに累計15万部を突破。いまだ部数を伸ばし続け、この数年、糖質制限一辺倒だった食餌健康法に一石を投じる形となっている。
現代のメディアは何かが売れると「2匹めのドジョウ」を狙うことが多い。特にレシピというジャンルにおいては、その傾向が強い。類書が増えれば書店に棚ができ、ブームは加速しやすくなる。だが、短期間で作られたものは飽きられるのも早い。昔ながらの和食が当たり前だった当時から長期間かけて家庭に根づいた「作りおき」は形を変えて残るのか。それとも「糖質制限」や「シリコンバレー」に駆逐され、ブームとして消費されてしまうのか。
「作りおき」のような、もととも生活のなかにあったコンテンツはどう生き残るのか、それとも消費され尽くしてしまうのか。コンテンツの強靭性と消費スピード、そして新顔の台頭……。そこにはいくつもの要素が絡み合う。ここに挙げたものはあくまで一例。コンテンツ界では今日も無数のチキンレースが開催されている。