コラム

7月の参院選後は要警戒 材料出尽くしで株価急落懸念も

 今年に入って東証マザーズ指数が急騰するなど、新興市場の活況が続いているが、5月には相場を牽引してきたいくつかの企業の株価が急落する局面もあった。はたして新興市場の沸騰はいつまで続くのか。カブ知恵代表・藤井英敏氏が解説する。

 * * *
 年初から波乱続きだった相場環境だが、実は投資家にとっては非常に良好なものとなっている。日経平均株価は4月の日銀の追加緩和見送りで一時的に値を下げたものの、東証マザーズ指数は4月に9年3か月ぶりの高値をつけるなど、新興市場は沸騰している。

 本誌前号(3月1日発売)で紹介したマザーズ上場銘柄のなかでも、たとえば人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)など多彩な有望テーマを兼ね備えるJIG-SAW(3914)の株価が2か月余りで6倍近い上昇を見せるなど、爆騰した個別銘柄も少なくない。

 相場環境が好転した大きな要因としては、原油価格の底入れがある。産油国の財政悪化懸念が薄れたことでオイルマネーが再び息を吹き返し、需給面が好転。世界的なリスクオンの高まりで米国株を中心に資金が流入している格好だ。

 ただし、日本株には懸念材料がある。米国の利上げのペースが鈍化するなか、米財務省が日本を為替操作の「監視リスト」に入れるなど、為替はドル安円高基調が定着している。ドル安は米国株にとってはポジティブだが、輸出関連の多い日経平均は円高で上値が抑えられる展開が続き、当面は2万円台回復を見通しにくい状況にある。

 その反面、円高の影響を受けにくい内需関連で成長期待の高いマザーズ銘柄が物色され、指数も大きく跳ね上がったのである。

 そして、この好環境は少なくとも7月の参院選までは続くと見ている。事前に期待の高まっていた日銀の追加緩和が見送られたことで日経平均は一時下落したが、そもそも日銀の金融政策だけでは景気は浮揚しない。政府の財政政策が伴ってはじめて効果をもたらすのだ。景気対策、さらには日銀の追加緩和がセットで打ち出されるようになると、株価反転も必至の情勢といえるだろう。

 そうなれば、日経平均も1万9000円までの上昇は見込めるし、マザーズ指数はここから2倍となる2000ポイント超え、さらには2500ポイントに達したとしてもおかしくない。

 かつてマザーズ指数が2700ポイントの高値を記録した時のことを振り返っても、時価総額の小さい小型株が多数を占める新興市場は、いったん火がつけばあっという間に株価が急騰する。加えて7月19日には「東証マザーズ指数先物」が上場予定のため、それを見越してマザーズ銘柄を仕込む動きもすでに高まりつつあり、需給面でも良好な環境が続くだろう。

 ただし、参院選後は注意が必要だ。いくら為替の影響に左右されにくい内需関連に物色が高まるといっても、当面の好材料が出尽くし、いったん逆流し始めると、雪崩を打つように急落してしまう懸念もある。

 新興株投資は短期勝負が鉄則であり、なるべく早く仕込み、どんなに株価が上昇しようとも、株価が変調をきたしたら即座に手仕舞う。一気に勝負を決するような心構えで臨みたいところだ。

※マネーポスト2016年夏号

トピックス

「ゼロ日」で59歳の男性と再婚したと報じられた坂口杏里さんだが…
《3年ぶり2度目のスピード離婚》坂口杏里さんの「ふっくら近影」に心配の声…「膝が痛くて…でもメンタルは安定してます」本人が明かした「59歳会社員との破局の背景」
NEWSポストセブン
新春恒例の「歌会始の儀」に出席された愛子さま(2026年1月14日、写真/時事通信フォト)
《ラオスご訪問を歌に》愛子さま、テーマ「明」に相応しいピンクのドレスで雅子さまとリンクコーデ 色やパールでフェミニンさとフォーマル感を演出
NEWSポストセブン
公明党支持者の票はどこにいくのか(斉藤鉄夫・公明党代表/時事通信フォト)
《電撃総選挙・獲得議席予測》どうなる公明党支持者?“自民から立憲への方向転換は簡単ではない”事実上の自主投票となる選挙区多数か 自民は単独過半数を大きく上回り、最大271議席の可能性
週刊ポスト
秘密作戦遂行にどんな準備を進めていたのか(トランプ大統領/Getty Images)
《ベネズエラのマドゥロ大統領を5分で拘束》CIAが主導した“周到な事前工作”の内幕 内通者を確保し、サイバー攻撃で防空システムを無力化…次なる作戦行動の標的はイランか
週刊ポスト
ドラムスティックを持ち、笑顔を見せる韓国の李在明大統領(左)と高市早苗首相[内閣広報室提供](時事通信フォト)
《なぜ奈良で?》韓国の李在明大統領には“ドラム外交”のサプライズ 高市首相、続く解散総選挙で「ハロー効果」は期待できるか
NEWSポストセブン
北海道日高町で店の壁の内側から遺体が見つかった事件。逮捕された松倉俊彦容疑者(49)、被害者の工藤日菜野さん。(左・店舗のSNSより、右・知人提供)
「なんか臭くない?」「生ゴミを捨ててないからだよ」死体遺棄のバーで“明らかな異変”…松倉俊彦容疑者が見せた“不可解な動き”とは【日高・女性看護師死体遺棄】
NEWSポストセブン
カンボジア内務省は1月7日、米当局が“アジア最大の犯罪組織のひとつ”とする企業「プリンス・グループ」のチェン・ジー会長を逮捕したと発表した(時事通信=AFP)
「問題がある者を叩け。ただし殺すな」拷問に人身売買、ロマンス詐欺も… “アジア最大の在カンボジア犯罪組織”トップの中国人が「都内15億超えの高級マンション」に拠点
NEWSポストセブン
北海道日高町で店の壁の内側から20代の工藤日菜野さんの遺体が見つかり、松倉俊彦容疑者(49)が逮捕された(左・知人提供)
《日高・バーの壁に死体遺棄》「誰が見ても親密そうだった」「2人してよく酒を遅くまで飲んでいた」松倉俊彦容疑者(49)と“21歳年下”被害女性の関係とは
NEWSポストセブン
再選を果たした小川晶氏(時事通信フォト)
《前橋市長に再選した小川晶氏》ラブホ面会で辞職でも大差で勝利「群馬は義理人情に厚い県民性がある。叩かれると同情心が湧くんです」支援団体幹部が明かした当選までの過程
週刊ポスト
元旦に結婚を発表した長澤まさみ
《長澤まさみが過去のSNS全削除と長期休養への背景》長澤まさみ、主演映画の撮影を1年延ばして選んだ電撃婚 『SHOGUN』監督夫と“帯同同伴カナダ計画”
NEWSポストセブン
大分市立中学校の校内で生徒が暴行を受けている動画が、SNS上で拡散された(Xより)
《いじめ動画の保護者説明会“録音データ”を入手》「『先生に言ったら倍返しになるから言わないで』と…」子供の不安を涙ながらに訴える保護者の悲痛な声【大分市】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市「不意打ち解散」で消えていく政党ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市「不意打ち解散」で消えていく政党ほか
NEWSポストセブン