コラム

7月の参院選後は要警戒 材料出尽くしで株価急落懸念も

 今年に入って東証マザーズ指数が急騰するなど、新興市場の活況が続いているが、5月には相場を牽引してきたいくつかの企業の株価が急落する局面もあった。はたして新興市場の沸騰はいつまで続くのか。カブ知恵代表・藤井英敏氏が解説する。

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 年初から波乱続きだった相場環境だが、実は投資家にとっては非常に良好なものとなっている。日経平均株価は4月の日銀の追加緩和見送りで一時的に値を下げたものの、東証マザーズ指数は4月に9年3か月ぶりの高値をつけるなど、新興市場は沸騰している。

 本誌前号(3月1日発売)で紹介したマザーズ上場銘柄のなかでも、たとえば人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)など多彩な有望テーマを兼ね備えるJIG-SAW(3914)の株価が2か月余りで6倍近い上昇を見せるなど、爆騰した個別銘柄も少なくない。

 相場環境が好転した大きな要因としては、原油価格の底入れがある。産油国の財政悪化懸念が薄れたことでオイルマネーが再び息を吹き返し、需給面が好転。世界的なリスクオンの高まりで米国株を中心に資金が流入している格好だ。

 ただし、日本株には懸念材料がある。米国の利上げのペースが鈍化するなか、米財務省が日本を為替操作の「監視リスト」に入れるなど、為替はドル安円高基調が定着している。ドル安は米国株にとってはポジティブだが、輸出関連の多い日経平均は円高で上値が抑えられる展開が続き、当面は2万円台回復を見通しにくい状況にある。

 その反面、円高の影響を受けにくい内需関連で成長期待の高いマザーズ銘柄が物色され、指数も大きく跳ね上がったのである。

 そして、この好環境は少なくとも7月の参院選までは続くと見ている。事前に期待の高まっていた日銀の追加緩和が見送られたことで日経平均は一時下落したが、そもそも日銀の金融政策だけでは景気は浮揚しない。政府の財政政策が伴ってはじめて効果をもたらすのだ。景気対策、さらには日銀の追加緩和がセットで打ち出されるようになると、株価反転も必至の情勢といえるだろう。

 そうなれば、日経平均も1万9000円までの上昇は見込めるし、マザーズ指数はここから2倍となる2000ポイント超え、さらには2500ポイントに達したとしてもおかしくない。

 かつてマザーズ指数が2700ポイントの高値を記録した時のことを振り返っても、時価総額の小さい小型株が多数を占める新興市場は、いったん火がつけばあっという間に株価が急騰する。加えて7月19日には「東証マザーズ指数先物」が上場予定のため、それを見越してマザーズ銘柄を仕込む動きもすでに高まりつつあり、需給面でも良好な環境が続くだろう。

 ただし、参院選後は注意が必要だ。いくら為替の影響に左右されにくい内需関連に物色が高まるといっても、当面の好材料が出尽くし、いったん逆流し始めると、雪崩を打つように急落してしまう懸念もある。

 新興株投資は短期勝負が鉄則であり、なるべく早く仕込み、どんなに株価が上昇しようとも、株価が変調をきたしたら即座に手仕舞う。一気に勝負を決するような心構えで臨みたいところだ。

※マネーポスト2016年夏号

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