ライフ

現在の乳がん治療は「切る」「切らない」の二択ではない

小林麻央の発表で注目を集める乳がん

 今や生涯のうち12人に1人がかかるといわれる乳がん。タレントの北斗晶(48才)は、2cmと大きな腫瘍が見つかり、右乳房全摘手術と抗がん剤治療を受けた。女優の南果歩(52才)は早期の乳がんで手術を受け、フリーアナウンサーの小林麻央(33才)は、1年8か月前から乳がんの治療を受けていることがわかった。

 これまで乳がんの治療は「切る」ことを前提に「どのタイミングで」「どこまで」「いつ切るか」と議論されてきた。

 しかし、神戸海星病院乳腺外科の河野範男先生は「乳房以外にがんが転移している場合、手術をしないことが多い」と話す。

「治療を始める際、手術をするか抗がん剤治療をするかを手術前に判断します。切るか切らないかをすぐに決めるとは限りません。極端にいうと、乳房にがんがあっても死にません。それよりも、乳がんが転移しやすい肺や肝臓、骨は生きていくために重要な臓器ですから、まず転移しているがんを小さくするための抗がん剤治療を行います」(河野先生)

 最近の治療では、転移したがんを抗がん剤でうまくコントロールし、胸のがんも少なくなりあえて切らずに日常生活を送ることも可能だ。

「抗がん剤で転移したがんが小さくなっても手術をしないケースもあるし、乳房のがんを切除する場合もあります。ケースごとに医師が判断します」(河野先生)

「抗がん剤は毒をもって毒を制するところがある」と河野先生が話すとおり、強い副作用があることは、北斗晶がブログに「眠れなかった」と綴ったことからもわかる。

「抗がん剤は脱毛や吐き気などの副作用があるので、70、80才の体力の落ちたお年寄りにはあまり勧めていません。逆に若い人には、10年20年先を考え、抗がん剤治療の必要性を説明し行っております」(河野先生)

※女性セブン2016年7月7日号

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン