さらに昨年11月、組織改編で「常務」「専務」の役職が廃止になると、智仁氏はヒラの取締役に。それが智仁氏の目には“降格”に映ったのか、今年2月、ついに智仁氏は取締役を「一身上の都合」で辞任し、対立は決定的となった。
会社を去ったとはいえ、智仁氏と前会長夫人は大株主だ。現在は大株主として経営陣の方針に反対している。
「今後の株主総会で創業家サイドがさらに多くの株主の賛同者を集めて、経営陣の退任を求めたり、智仁さんの経営復帰を要求する可能性があります」(前出・記者)
実は、そうした内紛の裏側には、こんな複雑な背景もあるという。
「会長夫人と智仁氏が“早く社長になりたい”と焦ったのには、おそらく三森前会長の『前妻の息子』の存在があるからでしょう。前妻の長男は智仁氏と同じ2013年入社でも、初任地から海外でした。アジアやアメリカ・ニューヨークなどで現場経験を積んで、アメリカ大戸屋では重役も務めました。社内では“彼のほうが将来の後継者にふさわしい”という声もあります。会長夫人としてはおもしろくないのは当然です」(前出・銀行関係者)
創業58年。老舗ののれんが揺れている。
※女性セブン2016年7月14日号