ライフ

武田家と上杉家の直系子孫が対談「父の代で関係が復活した」

武田家当主・武田邦信氏(左)と上杉家当主・上杉邦憲氏

“越後の龍”、“甲斐の虎”と並び称された宿命のライバルである上杉謙信と武田信玄。今回、両家の直系子孫である上杉家第17代当主・上杉邦憲氏(73)と武田家第16代当主・武田邦信氏(68)の対談が実現した。「川中島の戦い」から450年の時を経て、“龍虎”が再び相まみえる──。

上杉:私たちがお会いするのは初めてですよね。

武田:本家ではない上杉家の方とお会いすることはあるのですが……。私の父と上杉さんのお父様とは交流があったようです。父は居酒屋で酒を酌み交わした写真を亡くなるまで大切にしていましたから。年賀状のやり取りもしていた。

上杉:父親同士がNHKのクイズ番組『私の秘密』で共演したことから両家の交流が始まったんですよね。その後、私自身も武田さんのお父様と雑誌の企画でお会いして。川中島の一騎打ちの銅像の前で並んで写真を撮りました。

武田:それまでは両家の交流はなかったけれど、父の代で関係を復活させた。

上杉:『私の秘密』が放送されたのは、私が小学6年生の頃。当時はまだ一般家庭にテレビが普及していなかったから、下北沢のうなぎ屋へ行って番組を観たことを覚えています。

〈戦国時代、上杉謙信は越後国、武田信玄は甲斐国を治めていた。「川中島の戦い」は1553年、北信濃一帯を支配していた大名・村上義清が信玄に攻め込まれ、領土を追われ、謙信に助けを求めたことから始まった。以来12年間、同地の支配権をめぐり「上杉家」と「武田家」の間で5度にわたる合戦が繰り広げられたが決着を見ることはなかった。ゆえに両家は450年の時を超えた、現代でも宿命のライバルと言われている。

──両家の間には、現在も遺恨はあるのか?

武田:いえいえ。信玄公は「武田に何かあったら上杉を頼れ」と遺言を残しています。信玄公の六女・菊姫は謙信公の後継者である景勝公の正室として嫁ぎ“甲州夫人”と呼ばれ慕われていた。また信玄公の六男・信清は、その言葉通り、兄・勝頼公が自害した後、菊姫を頼って越後へと赴き、上杉家の家臣となっています。親戚関係でもあり感謝こそあれ、恨みはありません。

上杉:信清さんは上杉家でも「高家」と呼ばれる非常に高い身分の方として扱われた。お墓も上杉家代々の菩提を弔う『林泉寺』に置かれ、直江兼続の墓の隣にあります。上杉家とは身内同様の関係でした。

※週刊ポスト2016年7月22・29日号

関連キーワード

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト