国内

福島など被災地への修学旅行 「脱原発」とのリンクを懸念

公立高校の修学旅行先1位は沖縄 ※公益財団法人全国修学旅行研究協会調べ(平成26年度)

 公立高校の修学旅行先として人気の沖縄だが、地元ガイドが「日本軍は中国各地で中国人を殺し、レイプした」と偏った説明をするなど、「反日・自虐教育のメインイベント」と化す一面があると公立高校の現役校長・森虎雄氏はいう。ならば修学旅行先を変更すれば解決するのかというと、そうもいかない。次世代を担う高校生たちのために、教員はどう振る舞うべきかを森氏が解説する。

 * * *
 反日修学旅行に現場の教員から異論が出ることはまずありません。彼らも生徒と同じく、「沖縄の人が言っているから」「日本軍はひどいことをしたと新聞に書いてある」として、虚構を真実と思い込んでいるのです。

 私は現場でこうした教員と戦っています。例えば、「沖縄戦での集団自決に軍の関与があった」という趣旨の朝日新聞記事を授業で用いた教員に私が異議を申し立てると、彼女は「朝日がウソを書くんですか!」と職員室で声を張り上げました。

 とくに定年間近の50代教師はイデオロギー色が強く、まるで中国・北朝鮮の代理人のように日本を貶めようとする人もいます。彼らの影響を受けるのは生徒だけではありません。若くて熱心な先生まで「日本は悪だ」と感化されてしまうのです。

 私の赴任校は昨年も沖縄に修学旅行をしました。予め旅行の担当教員と旅行業者に注意を促したため、前回のような反日教育はなく、一安心した次第です。今後は日本を取り巻く国際情勢や基地問題の賛否両論を生徒に教え、各自に判断させる公平さが肝要です。

 かつて人気があった修学旅行先の広島や韓国などでも似たような構図がありました。この先、危惧されるのは福島など被災地への修学旅行です。平和教育とリンクさせた「脱原発」を喧伝し、生徒たちの頭にすり込むことが容易に予想されます。

 実は私も若い頃は偏向した左翼教師でした。「戦前の日本は悪」と断じて日本史を教えていましたが、やがて自虐史観に疑問を抱き、再び歴史を学ぶうちに呪縛から解き放たれました。左翼教師との戦いは私の「罪滅ぼし」でもあるのです。

 教員や保護者は一部の修学旅行が「反日教育」に利用されている事実を知り、次代を担う高校生たちが誤った歴史観に染まらぬよう目を光らせるべきです。

●もり・とらお/1956年、東京都生まれ。上智大学文学部卒業。明星大学大学院人文学部研究科教育学専攻修士課程修了。公立高校の教員、教頭・校長を歴任し現職。森虎雄のペンネームで出版した著書『反日日本人は修学旅行でつくられる』が話題に。

※SAPIO2016年8月号

関連記事

トピックス

9月6日から8日の3日間、新潟県に滞在された愛子さま(写真は9月11日、秋篠宮妃紀子さまにお祝いのあいさつをするため、秋篠宮邸のある赤坂御用地に入られる様子・時事通信フォト)
《ますます雅子さまに似て…》愛子さま「あえて眉山を作らずハの字に落ちる眉」「頬の高い位置にピンクのチーク」専門家が単独公務でのメイクを絶賛 気品漂う“大人の横顔”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
最新機種に惑わされない方法とは(写真/イメージマート) 
《新型iPhoneが発表》新機能へワクワク感高まるも「型落ち」でも充分?石原壮一郎氏が解説する“最新機種”に惑わされない方法
NEWSポストセブン
シーズンオフをゆったりと過ごすはずの別荘は訴訟騒動となっている(時事通信フォト)
《真美子さんとの屋外プール時間も》大谷翔平のハワイ別荘騒動で…失われ続ける愛妻との「思い出の場所」
NEWSポストセブン
選手会長としてリーグ優勝に導いた中野拓夢(時事通信フォト)
《3歳年上のインスタグラマー妻》阪神・中野拓夢の活躍支えた“姑直伝の芋煮”…日本シリーズに向けて深まる夫婦の絆
NEWSポストセブン
学校側は寮内で何が起こったか説明する様子は無かったという
《前寮長が生徒3人への傷害容疑で書類送検》「今日中に殺すからな」ゴルフの名門・沖学園に激震、被害生徒らがコメント「厳罰を受けてほしい」
パリで行われた記者会見(1996年、時事通信フォト)
《マイケル没後16年》「僕だけしか知らないマイケル・ジャクソン」あのキング・オブ・ポップと過ごした60分間を初告白!
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
『東京2025世界陸上』でスペシャルアンバサダーを務める織田裕二
《テレビ関係者が熱視線》『世界陸上』再登板で変わる織田裕二、バラエティで見せる“嘘がないリアクション” 『踊る』続編も控え、再注目の存在に 
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビーカーショットの初孫に初コメント》小室圭さんは「あなたにふさわしい人」…秋篠宮妃紀子さまが”木香薔薇”に隠した眞子さんへのメッセージ 圭さんは「あなたにふさわしい人」
NEWSポストセブン
試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン