ライフ

歯科業界のタブー 歯科医6人が揃って口にした予防歯科の大事さ

共通するキーワードは「予防歯科」

 これまで『週刊ポスト』では、ジャーナリスト・岩澤倫彦氏による歯科治療のタブーに斬り込むシリーズ記事を度々掲載してきたが、全国の歯科医たちから賛否両論が噴出している。

 そこで今回は、編集部や筆者に意見を寄せた、あるいはネット上で記事の批評を掲載していた歯科医を緊急取材した。論争テーマへの率直な意見と、歯科業界の実状を本音で語ってもらった。

 本シリーズへの見解を聞いた6人の歯科医を紹介する(五十音順)。埼玉の大月晃氏(大月デンタルケア・理事長)/神奈川の長崎祥吾氏(ワコ歯科・矯正歯科クリニック院長)/東京の小林優氏(村岡歯科医院・院長)/千葉の西尾元秀氏(ニシオ歯科・院長)/広島の三好龍治氏(三好デンタルオフィス・代表)/大阪の米畑有理氏(歯の花クリニック・院長)

 * * *
 限られた患者を奪い合う歯科医たちには、いま様々な広告業者がハイエナのように群がり、宣伝に多額の資金が投じられ、患者は何を信じていいかわからない。

 今回、取材に協力してくれた6人の歯科医たち全員が共通して口にしていたキーワードが「予防歯科」だ。米畑氏の言葉を紹介しよう。

「銀歯だろうが、レジンだろうが、虫歯で開いた穴を埋めているだけです。虫歯や歯周病の原因にアプローチしないと、繰り返します。

 歯の先進国スウェーデンでは『予防歯科』を実践して、虫歯や歯周病を防いでいます。唾液検査で虫歯リスクをチェックして、定期的にお掃除等のメンテナンスを受ける方法ですが、効果は実証されています。

 このまま安い治療費で、保険診療の出来高制のために、どんどん歯を削るのをずっと続けていいんでしょうか。どこかで止めないとダメですよね」

 国は、予防歯科の分野に、保険は適用しない方針を示している。理由は、保険の給付対象が「疾病」に限定されているからだという。それで本当にいいのか。

※週刊ポスト2016年8月19・26日号

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン