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マンガ大賞発起人が「読んでない人が羨しい」と語る歴史漫画

 誰しも若い頃、胸を熱くし、夢中になった漫画があったことだろう。しかし多忙になるにつれ、漫画を手に取る機会も少なくなっていく。人生も折り返しを過ぎた今こそ、再び読み始めてはどうだろう。きっとあなたの老後は豊かなものになるはずだ──。

 そこで本誌では、各界の「漫画通」が薦める作品を「感動部門」、「政治・経済・社会部門」、「歴史部門」、「スポーツ部門」に分けてピックアップ。ここでは「歴史部門」の作品を紹介しよう。

 大国が栄えたり滅んだり、歴史作品は壮大なスケール感が魅力の1つだ。マンガ専門の書店・福家書店新宿サブナードコミックストアの店長である大塚久克氏は、「当店では通常、最新の2~3巻だけを置くのですが、『キングダム』(原泰久、集英社刊)は既刊全て(43巻)を常時置く、数少ない作品です」と、人気ぶりを語る。

「中国の春秋・戦国時代を描いた物語で、始皇帝となって中国を統一する秦王(始皇帝)につかえた少年の信が仲間と出会いながら大将軍へと出世していくストーリー展開が面白い。信だけでなく仲間や敵対する他国の武将を含めてのキャラクターがかなり濃厚で歴史マニアでも楽しめると思います。今や人気すぎて、書店長として紹介するのがためらわれるレベルの作品ですよ(笑い)」

 毎年のヒット作を表彰する『マンガ大賞』の発起人で、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏は『ゴールデンカムイ』(野田サトル、集英社刊)を「読んだことがない人が羨ましい。この感動をまっさらな状態で楽しめるんですから」と大絶賛。舞台は明治末期の北海道。日露戦争帰りの元軍人・杉元佐一がアイヌ民族の少女・アシリパ(「リ」の文字は小さい)と共に金塊を探し求めるという物語だ。

「同作は冒険あり、笑いあり、涙あり、グルメあり……と全ての要素が入っている。アイヌの人たちの協力で、彼らの暮らしぶりや文化も正確に描かれている点にも注目です」

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