ライフ

24時間テレビは「偽善番組」か NHKが「障害者の描き方」問う

地球は愛だけで救える?(写真:アフロ)

 障害者差別は「愛」で解決できるのか。NHK番組の挑戦から、オバタカズユキ氏が考える。

 * * *
 明日(28日・日曜)の夜(19時~19時30分)に放送されるEテレ『バリバラ』が楽しみだ。同番組公式HPの放送予告文はこうなっている。

〈「感動するな!笑ってくれ!」というコンセプトで始まったバリバラ。しかし、いまだ障害者のイメージは「感動する・勇気をもらえる」というものがほとんど。「なぜ世の中には、感動・頑張る障害者像があふれるのか?」その謎を徹底検証!スタジオでは「障害者を描くのに感動は必須か?」「チャリティー以外の番組に障害者が出演する方法は?」などのテーマを大討論!Twitterで視聴者ともつながり、みんなで「障害者の描き方」を考える。〉

 放送タイトルは、〈【生放送】検証!「障害者×感動」の方程式〉。もうお分かりのように、裏番組の『24時間テレビ 愛は地球を救う』にライブでケンカを売ろうというわけである。

 8月27日18時30分~28日20時54分に放送する今年の『24時間テレビ 愛は地球を救う』は、番組テーマを「愛~これが私の生きる道~」としている。ラストの盛り上げに入ろうかという時間帯にぶつかる『バリバラ』には、ぜひ日テレに向けてこう問いかけてもらいたい。

 愛、愛、言ってるだけで、障害者は救われるの?

 そういう一方的な善意の押し付けは「キラキラ差別」って知ってる?

 最近は“攻めのNHK”のイメージも出てきているEテレだ。中でも福祉情報番組『きらっといきる』(放送終了)内企画として2010年4月から始まり、2012年に独立した『バリバラ』は、有名無名を問わず、障害者がエンターテイナーとして出演し笑いを取ろう、というラディカルな番組である。

 今春からは対象を障害者に限らず、LGBTなど〈「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー」の人たちにとっての“バリア”をなくすために、みんなで考えていく〉番組へマイナーチェンジ。〈緊急企画 障害者殺傷事件を考える〉など、硬派なジャーナリズム路線も取り混ぜ、攻めの姿勢をさらに強めている。

 ならば、日本のテレビ界最強の福祉系番組に真正面(真裏?)から噛みついてみせてほしい。予告の動画では、番組MCの山本シュウが、「何かが起きる~ッ!」と叫んでいる。30分番組で何が起こせるのか、要チェックだ。

関連記事

トピックス

岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン