ライフ

ポケモンGO熱 いまだ冷めない人が口にすべき台詞

まだ熱心な「ポケモン」ゲーマーはいる

 急速に広がり、急速にしぼんだ感のある「ポケモンGO」。「まだやってんの?」という鼻で笑われたときの大人の切り返しはなにか。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が伝授する。

 * * *
「お前、まだ『ポケモンGO』なんてやってんの。よく飽きないねー」

 今日も全国各地で、こんな暴言をぶつけられて小さく傷ついている人が、たくさん出現しているに違いありません。まず海外で人気が爆発した「ポケモンGO」が、日本でリリースされたのが7月22日。それから1、2週間は、異常な盛り上がりを見せました。

 ある調査によると、リリース3日で1,000万ダウンロードを突破したとか。街にはスマホ片手にウロウロする人の群れがあふれ、テレビでもネットでも職場でも「ポケモンGO」の話題で持ちきりでした。今思えば一種のお祭り状態だったと言えるでしょう。

 しかし、リオ五輪が始まったころからそっちに関心が移ったのか、世の中全体の「ポケモンGO熱」は急速に冷めていきます。とはいえ、流行っているからとホイホイ飛びついたヤジ馬的な人たちがすぐに飽きただけで、現時点でも「日本でいちばん多くの人が楽しんでいるゲーム」であることは間違いないでしょう。

 ホイホイ飛びついてすぐ飽きたヤジ馬に限って、文字通り地に足をつけて楽しんでいる人をバカにしたがります。「まだやってんの」と時代遅れ扱いして鼻で笑ったり、「もう誰もやってないよ」と決めつけて変人扱いしたり、自分が面白がれなかったことを正当化するために「あんなゲーム、どこが面白いの」と腐してみたり……。

 何事にせよ流行りものに対する「その他大勢」のスタンスはしょせんそんなもんだとわかってはいても、楽しんでいる側としてはけっこう不愉快です。かといって「一時的に飛びついた人たちがやらなくなっただけで、ブームが去ったみたいに言うのはあまりにも軽薄じゃないかな」と正論を返すわけにもいきません。軽薄という指摘は見事に図星を突くことになるので、確実にケンカになるでしょう。

 その場の平和を優先して「アハハ、そうだよね」と笑ってごまかすだけでは、自分の中に屈辱感が残ってしまいます。たとえば、こんなセリフを返してみるのはどうでしょうか。

「あー、やめちゃったんだ。もうちょっと続けたら、最初のころとは比べものにならない深い面白さを味わえたのに。まあでも、好みに合わなかったんだから仕方ないよね」

 相手は自分が知らない快楽をこっちが味わっていることに対して、激しい悔しさを覚えるはず。「べ、べつにそんなの興味ないよ」と捨て台詞のひとつも吐いてくれたら、完膚なきまでに返り討ちにした実感を味わえるでしょう。本当に深い面白さを感じているかどうかは、この状況においては些細なことです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト