◆岡田さん、面白い!
情けないのは、そんな蓮舫氏に手も足も出ない男たちである。すっかり男を下げたのが細野豪志氏。当初は蓮舫氏の最有力の対抗馬とみられていた。
ところが、当人は細野擁立を協議するために開かれたはずの支持グループの会合で突然、”敵方”の蓮舫氏支持を明言。その情けなさに怒った鹿野道彦・元農水相に「出ていけ!」と追い出されてしまった。
「勝ち目がないと見て逃げた。これで細野さんは本当に『永遠の代表候補』になった」(若手議員)
党内最大勢力の旧維新の党グループでも、江田憲司・代表代行が会合で「国民のために何をするかの政策論争がない」と蓮舫独走の代表選の状況を批判していた。それなら、自ら出馬して政策論争を挑めばいいものを、なぜか同グループは蓮舫氏支持に傾いた。
「江田さんは『今回は勝負の時じゃない』という判断。政権交代のチャンスは10年以内に来るだろうが、早くても次の次になる。だから今回は蓮舫を代表にして民進党の変化をアピールした方が得策、自分の出番はその次だと考えているんでしょう」(旧維新出身議員)
「リベラルの星」のはずの枝野幸男・幹事長もダンマリを決め込んだ。「蓮舫氏支持のかわりに幹事長留任の密約があるのでは」(中間派議員)との説も流れている。
もっとも、“勝ち馬に乗る”という点で一番計算高かったのは岡田代表かもしれない。
東京都知事選の投票日前日に代表選不出馬を表明して身内から「票が逃げた」と猛批判を浴びながら、蓮舫氏が出馬表明するとちゃっかり一番先に支持表明した。民進党ベテラン議員は狙いをこう見ている。
「都知事選後に代表退任を表明していたら引責だと見られる。だから投票直前に不出馬を表明することで“代表の座を後進に譲る”という体裁を取り、後継者として蓮舫を支援して影響力を残そうとしている」
こんな芸当ができる岡田氏を「本当につまらない男」とは、蓮舫氏は失礼極まりない。
※週刊ポスト2016年9月9日号